質問者:
一般
くりちゃん
登録番号2184
登録日:2010-04-29
落葉樹の多くは秋にに落葉します、また常緑樹の多くは春に落葉しますが、落葉樹の場合紅葉してから落ちるが、常緑樹は緑色のまま落ちるのには何か理由があるのでしょうか。また離層ができるのは同じなのでしょうか。お教えください。
秋と春の落葉の違い
くりちゃん さま
なぜ、秋に落葉樹が紅葉した後に落葉するのかについて、いろいろ考えられますが、これについては本質問コーナーの質問登録番号0388, 登録番号1911への回答に一つの考えが記されています。すなわち、落葉樹は秋になるとアントシアニンを合成し、これによって葉緑体に直射太陽光が照射されないようにして、できるだけ長い間、光合成が続けられるようにしているとの考えです。
秋には気温が低くなり、そのため、光合成のCO2固定能力(暗反応)が低下します。このとき、葉緑体が太陽光を直射に受けると、光エネルギーがCO2固定に利用されるよりも過剰になったときに生じやすい活性酸素によって、葉緑体が光損傷を受け、光合成機能が低くなります。これを防ぐため、葉の表層にアントシアニンを合成し、葉緑体が太陽光を直接に照射されないようにして、活性酸素の生成を抑え、できるだけ長い間光合成が続けられるようにしているとの考えです。一方、常緑樹では春になってから落葉しますが、気温が徐々に高くなる時期でもあり、暗反応であるCO2固定反応が低下することもないので、特にアントシアニンを合成して太陽光を遮り、葉緑体を守る必要がないと考えられます。
落葉樹、常緑樹共に、落葉するときは葉柄に離層ができると考えられています。これらを含め、本質問コーナーの常緑樹、落葉樹で索引すれば、多くの興味ある常緑樹、落葉樹の性質を見ることができます。
なぜ、秋に落葉樹が紅葉した後に落葉するのかについて、いろいろ考えられますが、これについては本質問コーナーの質問登録番号0388, 登録番号1911への回答に一つの考えが記されています。すなわち、落葉樹は秋になるとアントシアニンを合成し、これによって葉緑体に直射太陽光が照射されないようにして、できるだけ長い間、光合成が続けられるようにしているとの考えです。
秋には気温が低くなり、そのため、光合成のCO2固定能力(暗反応)が低下します。このとき、葉緑体が太陽光を直射に受けると、光エネルギーがCO2固定に利用されるよりも過剰になったときに生じやすい活性酸素によって、葉緑体が光損傷を受け、光合成機能が低くなります。これを防ぐため、葉の表層にアントシアニンを合成し、葉緑体が太陽光を直接に照射されないようにして、活性酸素の生成を抑え、できるだけ長い間光合成が続けられるようにしているとの考えです。一方、常緑樹では春になってから落葉しますが、気温が徐々に高くなる時期でもあり、暗反応であるCO2固定反応が低下することもないので、特にアントシアニンを合成して太陽光を遮り、葉緑体を守る必要がないと考えられます。
落葉樹、常緑樹共に、落葉するときは葉柄に離層ができると考えられています。これらを含め、本質問コーナーの常緑樹、落葉樹で索引すれば、多くの興味ある常緑樹、落葉樹の性質を見ることができます。
JSPPサイエンスアドバイザー
浅田 浩二
回答日:2010-05-06
浅田 浩二
回答日:2010-05-06