一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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交配実験

質問者:   その他   undatus
登録番号0220   登録日:2005-02-28
はじめまして、よろしくお願いいたします。

ツユクサの交配をしたいのですが、つぼみのうちに、しかもかなり若いつぼみのうちから自家受粉しています。
若いつぼみの花弁とおしべを除けた雌しべに成熟したおしべの花粉をつけてみましたがうまくゆきません。
何かよい手がありますか?
undatus さま

 ツユクサがつぼみ受粉をすることは私も確認しています。そのため交配実験が難しいとは予想していましたが、かなり若いつぼみのうちに同花受粉をしているとは知りませんでした。ツユクサには4倍体と8倍体があり、ふつうは8倍体です。もしかしたら無融合生殖(雌しべだけで無性的に行う種子繁殖)をしているかもしれません。次の点を調べてみたらいかがでしょうか。

 1.花の成熟の程度をつぼみの長さで表し、どの段階でつぼみの内部に花粉が出るかを調べる。
 2.花粉が出る前のつぼみを除雄して袋をかけ、種子ができるかどうか調べる。
 3.花粉が出ているのが確認されたら、除雄後ふくろを掛け、どのサイズ(つぼみの長さ)のものが種子を形成するか調べる。(どの段階で雌しべが成熟しているか調べる)

 2によって種子ができるなら無融合生殖ですし、できなければ有性生殖ですので3を実施し、人工受粉のタイミングをつかむとよいと思います。柱頭が乾燥するとうまくないので、花粉が出ていないつぼみのうちに除雄し、花弁は残して、雌しべが熟したら人工受粉して袋をかけるとよいと思います。大変おもしろいことですので、ぜひ結果を教えてください。
                
新潟大学
 森田 竜義
回答日:2009-07-03