一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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葉野菜の二酸化炭素吸収量

質問者:   会社員   野菜栽培者
登録番号2209   登録日:2010-05-28
レタスやサラダ菜を水耕栽培で育てています。
今後はイチゴの栽培も試してみたいと思っております。
成長促進のために二酸化炭素を供給しようと思っているのですが、
適量がわからないので質問させていただきました。
野菜の単位時間当たりの二酸化炭素吸収量はどのくらい必要なのかを教えてください。
光の量に関係するものなのでしょうか?
現在、10000ルクス程度の照明で栽培しています。
宜しくお願い致します。
野菜栽培者 さま

ご質問を有り難うございました。
“野菜の単位時間当たりの二酸化炭素吸収量”をお知りになりたいとのことですが、これに一般的にお答えすることは容易ではありません。ただ、ごく大雑把には二酸化炭素吸収量は野菜の生長量に比例していると見なして良いでしょう(正確には呼吸の寄与を考える必要があります)。

ところで、植物の生長を支える光合成の速度は、二酸化炭素の濃度以外に照射される光の強さや環境の温度などによって大きく左右され、これらの関係は植物によって異なっております(本コーナーの登録番号1895参照)。したがって、栽培を試みようとしているイチゴについて文献を調べて見られることをお勧めします。

試みようとしておられる栽培方法に不明な点があります。10,000ルクス程度の照射は終日続けられるのでしょうか。私の調べた限りでは、早朝の日照量の少ない時間帯に限ってハウスを締め切って二酸化炭素を供給するイチゴの栽培方法があるようですね。一般的に言って、与える二酸化炭素の濃度の目安は光合成速度を飽和する程度が適当だと思います。大気中の二酸化炭素の濃度は400ppm程度で、一般的には0から1,000ppm程度の範囲内では二酸化炭素の濃度に比例して光合成速度が増大し生長が促進されるものと思われます。イチゴの栽培については詳しい解析がなされているようですから、その筋の専門家とコンタクトされることをお勧めします。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2012-07-20
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