一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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オオカナダモの細胞の大きさ

質問者:   高校生   ミルキー
登録番号2233   登録日:2010-06-26
高校の授業で疑問に思ったので質問させていただきます。

オオカナダモの細胞の大きさは
表側の方が大きく裏側の方が細長く小さいですよね。

なぜそのようになっているのか不思議に思いました。
よろしくお願いします。
ミルキー様

みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。原形質流動の観察実習でオオカナダモを見たのだと思いますが、実習の内容とは違う、葉の表と裏の細胞の大きさの違いに気がついて、疑問に思ったことはとても素敵なことだと思います。疑問に思うことから科学は始まるのだと思うからです。葉の表と裏では、ミルキーさんが気が付かれた細胞の大きさのほかにも、いろいろな違いがあります。よく知られていることでは、葉の表側には柵状組織が、裏側には海綿状組織が発達します。この葉の表裏の違いはある遺伝子を壊すことによってデタラメになり、葉の裏側に柵状組織が入り込んだり、表側に裏側型の表皮細胞が入り込んだりします。こんなことから、葉の表裏が遺伝子によって決められていることが分かってきてはいるのですが、それでは何故、遺伝子が正常な葉で、表側に柵状組織が、裏側に海綿状組織が発達するのか、また、オオカナダモの葉の表の細胞が大きくて、裏側の細胞が小さくて細長いのかについては、分かっていません。現在、挑戦を受け続けている難問です。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2010-06-28
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