一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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土壌の持っている性質について

質問者:   一般   星の王子
登録番号2246   登録日:2010-07-05
植物の施肥について勉強していたところ、種種の事柄が出ていました。PHとか、ECとかCECとかです。その中のCECの項目のところで、「土壌はもともと陰イオンに帯電していて、陽イオンの塩基を捕まえておく力があり、それが塩基置換容量である」出ていました。そこで質問ですが、土壌はなぜ陰イオンを持っているのでしょうか?粘土質の方が置換容量が大きいとも出ていました。その理由も教えてください。
星の王子 様

ご質問を有り難うございます。
土壌のことに詳しくはありませんが、以下のように回答させていただきます。
CECは「Cation Exchange Capacity」の略号で、「陽イオン交換容量」、「塩基置換容量」などと訳されているようです。土壌が陽イオン交換体として働く(陰イオンを持っている)のは、大きく分けて、(1)土壌を構成する粘土粒子そのものがマイナスの荷電をもっていることと、(2)土壌に含まれる腐植物質を構成する化合物中のカルボキシル基などがイオン化していることによります。前者について言えば、ケイ素・アルミニウム・酸素などを骨格として形成される粘土鉱物の構造体内に保持するイオン(ケイ素イオン、アルミニウムイオン、マグネシウムイオンなど)が原因で、多くの場合、粘土粒子が全体としてマイナスの電荷を持っていると言う訳です。
このため、砂土などに比較すると、粘土質の土壌は陽イオン交換容量が大きいことになります。一般に、火山灰土や腐植土が多い土壌の方が容量が大きいと言うことです。詳しくは、土壌の専門家にお訊ね下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2010-07-07
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