一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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ソバにつく害虫

質問者:   高校生   よこやん
登録番号2249   登録日:2010-07-09
「そだててあそぼう8 ソバの絵本」農文協発行
に、「たいていの虫はタデという植物を嫌って食べないんだけど、なかには好んで食べる虫もいる。」という記述がありました。タデ科植物のどんな特徴が、虫を防いでいるのでしょうか?
よこやん様

みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。実は日本植物生理学会は、こういうご質問に強くないです。そこで、今日一日、回答を作るために図書館などを走り回りました。まず、ハナタデ、イヌタデ、ボントクタデなどなど、名前にタデのつく植物は多いのですが、ただ”タデ”と云われたら、ホンタデとかマタデとかの名前も持っているヤナギタデのことをさします。”タデ喰う虫も好きずき”のタデもヤナギタデで、噛むととても辛いのです。辛いタデが本当のタデ(ホンタデ、マタデ)で、辛くないのはイヌタデ(役に立たないタデ)、とか(ボントクタデ(ボンクラタデ)とか呼ばれており、本当のタデとは認められていないのです。よこやんさんのご質問の中にある「たいていの虫はタデという植物を嫌って食べないんだけど、なかには好んで食べる虫もいる。」のタデもホンタデ、マタデと呼ばれているヤナギタデのことであって、イヌとかボンクラとか呼ばれているその他大勢のタデのことではないのだと思います。ヤナギタデについては防腐作用、防虫作用なども知られており、また茎葉を砕いて水に入れると魚が死ぬなどの、働きもあるそうで、このヤナギタデについては虫害を受けにくそうに思いますが、タデ科の植物のすべてがヤナギタデように虫害に強いとは思えません。質問のタイトルが ”ソバにつく害虫”だったので、ソバについても勉強しました。確かにソバは害虫に対する予防にそれほど労力を使わなくてよいらしいですが、油断しているとヨトウムシなどによって一晩のうちに丸坊主にされること、アリマキの被害にも遭いやすいことなどが書かれておりました(農文共、ソバ)。ヤナギタデでのことはタデ科植物一般でのことではないと思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2010-07-14