一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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野菜の花と実のなる向き

質問者:   小学生   ふたば
登録番号2272   登録日:2010-07-30
こんにちは。
「オクラの実はどうして上向きになるのか」ということを調べていたら、このサイトの質問の登録番号1353に行き着きました。
そのあと、他の作物の実の成り方を見ていたら、トウガラシは花は下向きなのに実は上向きということを見つけました。ただ、トウガラシは下向きのなるものもあります。これはどうしてなのか知りたいので教えてください。オクラのこともトウガラシのことも図書館には調べたいことが載っていなくて困りました。よろしくお願いします。(母が代筆しました)
ふたば さん

質問コーナーへようこそ。歓迎致します。
植物のこといろいろ詳しく観察しているのですね。こんな鋭い質問ができるなんて素晴らしいことです。

さて、なんと答えたらよいのかな。正直いって難しい質問です。トウガラシには沢山の仲間があって、質問のように上向きに実が着くのや、シシトウやピーマンのように下向きのものあります。また、トウガラシと呼ばれているものでも下向きの種類があります。いずれも花は下向きに咲きます。なぜでしょうね。確かに不思議です。トウガラシの実が上向きに付くことについて、特にその理由を調べた研究は多分ないと思います。そこで私が考えられる理由をのべてみます。

トウガラシの仲間に「ヤツブサ」という変種があります。このトウガラシは枝分かれしないで、茎の頂端に多数の花が群がってほぼ上向きに咲きます。従って、実は頂端に束のように上向きになります。ところで、私達が食用に供しているトウガラシはいろいろな性質を掛け合わせてつくられた品種で、沢山の様々な品種があります。もしかすると、ヤツブサあるいはそれに類する種類も交雑の相手として使われたのかもしれません。すると、実が直立する性質の遺伝子が伝えられている場合は、花の向きに関係なく実は直立する品種ができるばあいもあるのではないかと思います。もちろんこれは単なる推測ですから間違っているかもしれませんが。どなたかこういう事が分かる専門家に聞く事ができたら、また、正解をお知らせしましょう。

JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2010-08-02