一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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肥料の三要素の含有量について

質問者:   高校生   イケシマ
登録番号2273   登録日:2010-07-31
 私は高校三年生で三年間の集大成として卒業研究に励んでいます。卒業研究の内容は、以前もこの質問コーナーで投稿したもので、テーマは「野菜にその野菜から作った肥料を与えると成長がよいのではないのか?」というもので、内容はホウレンソウで草木灰を作り、それを使ってホウレンソウを栽培するというものです。比較対象には市販されている草木灰と化成肥料を使ってホウレンソウを栽培します。そしてその成長具合や葉の色などを比べようと思っています。
 そうした中で、私が作る草木灰にはいったいどのくらいの割合でN(窒素)P(リン酸)K(カリウム)が含まれているのかということに気付きました。実験をするにあたって土壌に含まれている肥料分はどれも同じ条件ではないと意味がないと指導の先生に言われてしまったのです。
 そこで質問なのですが、市販で販売されている肥料には10-10-10のようにNPKの含有量がわかっていますが、どのような方法でこのような数字がわかるのですか?またどのようなものを使えばわかりますか?
イケシマ くん



探求が続いているようですね。



問題を整理しておきますが、植物を生育させるためには比較的大量のN(窒素)P(リン酸)K(カリウム)をイオンの形で供給することが必要ですね。ところで、貴方が計画されている実験では、これらの成分を十分に与えておいて、それに加えてホウレンソウの草木灰を添加することになりますか。言い換えれば、期待するのはNPK以外の成分の効果と言うことになりますか。それとも、NPKを含めての効果が問題になりますか(指導して下さっている先生の言われる“肥料分はどれも同じ条件でないと意味がない”のはどの範囲の成分についてですか)。

なお、微量な成分の効果を調べる際に重要なことは、実験に用いる土壌や容器に由来する成分を完全に掌握しておくことです(対照実験を含めて)。



窒素(アンモニアや硝酸イオン)・リン(リン酸イオン)・カリウム(カリウムイオン)などの測定方法は確立しておりますが、測定に使用する装置や薬品の問題がありますので、学校の農学科の土壌肥料や農芸化学関係の先生に相談されるのが良いと思います。


この研究については、実施の可能性について指導して下さる先生と徹底的に議論されることをおすすめします。

JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2010-08-02
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