一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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離弁花と合弁花について

質問者:   中学生   中学生です
登録番号2277   登録日:2010-08-09
13歳の中1です。夏休みの理科の宿題で、レポートの宿題が出て、合弁花と離弁花の事を調べることになりました。植物園に行ったり、インターネットで調べたりして、それぞれの割合のことや、離弁花→合弁花の順で進化したことはわかりましたが、なぜ進化の遅い離弁花のほうが、種類が多いのかわかりません。是非教えてください。
中学生です様

みんなのひろばへのご質問有り難うございました。頂いたご質問の回答は基礎生物学研究所、生物進化研究室の長谷部光泰先生にお願いいたしました。長谷部先生はとてもお忙しい先生ですので、少し時間がかかってしまいましたが、以下のような回答をお寄せ下さいました。勉強して下さい。


長谷部先生のご回答
花の咲く植物(被子植物)はもともと離弁花でした。離弁花の祖先被子植物の中から合弁花を持つものが生じました。そのあと、この祖先から、現在ある離弁花も合弁花も同じだけの時間を経て進化しています。したがって、離弁花の方が合弁花よりも進化が遅いわけではありません。たとえば、サルとヒトではサルもヒトも進化の速度はそれほど変わりません。特定の群の種類の多さはいろいろな理由があります。合弁花の中でもキク科はたくさんの種類があります。一方、離弁花の中でもキク科よりも種数の少ない科がたくさんあります。合計して離弁花が合弁花よりも種数が少ないのは、離弁花も合弁花も同じくらいの速度で進化しているので、より長い時間存在している離弁花の方が、最近生じた合弁花よりもたくさん種類を分化させることができたからかもしれません。

長谷部 光泰(基礎生物学研究所生物進化研究室)
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2010-08-20
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