質問者:
小学生
まき
登録番号2279
登録日:2010-08-11
子供が自由研究として、「野菜の水分量」を調べています。みんなのひろば
収穫後の野菜の水分量変化
収穫直後と5日経った後の水分量を計るというのです。
本人は、野菜は日にちが経つと水分量が減る訳を知りたいみたいです。
夏野菜のなす、キュウリ、トマト(実)と
ジャガイモ(茎)、にんじん(根)、タマネギ(りんけい)の水分の減り方に違いが
あると思う、と言っています。
収穫後の野菜の、呼吸と蒸散について、小学3年生にもわかりやすく説明するには
どうしたらよいでしょうか。
調べるのに良い本を紹介して下さい。
親としては、そばで見守る姿勢でいたいのですが、
アドバイスするとしたらどんなことがありますか。
また、注意する点などもありましたら、よろしくお願いします。
まき さん
「自由研究」へのご協力ですね。
野菜の水分含量の変化の解析は、取り組みやすいテーマで、多方面のことと関わっており興味ありますね。先ずは、得られる結果から学ばれることをおすすめします。
ところで、予備知識として下記のようなことがあるかと思います。
毎日実感しておられることと思いますが、野菜は収穫後も生きております。種類や収穫の時期によって大きく異なりますが、一般には、生命活動を維持するための呼吸が行われ、成熟の過程(ホルモンの生産、養分や細胞壁の分解などの生理作用、緑色をした組織の場合は光合成も)が進行しております。また、活発な蒸散作用も営まれ、クチクラ層を傷つけられた植物体からは水分の蒸発も盛んです。野菜の水分含量は非常に高いので、水分の減少は“しおれ”となって現れて来ます。
研究をする上での注意点として下記のことがあります。
1)実験の材料を厳選すること:野菜の種類によって水分含量が変化する速度に大きな差があることを実感しておられると思いますが、その速度は成熟度や品種によっても大きく異なります。したがって、比較する実験のための材料の選択が問題になると思います。この点、ご自分の考えに基づいて選ぶことになりますね。
2)実験の条件を一定にしておくこと:呼吸などの生理活性や蒸散の作用などは温度や湿度などの外囲の条件によって大きく左右されます。したがって、比較する野菜は可能な限り同じ条件下に置かれる必要があると思います(なお、条件を同じにするために、比較する材料を密着させて置くことには問題があるかも知れません)。
3)水分の量りかたが確実であること:野菜の重さの変化で水分含量の変化を見積もることになるのかと思いますが、例えばトマトなどの場合を思い浮かべて下さると分かるように、成熟による化学組成の大きな変化がありますので、別の測定方法についても考える必要がありますね。ところで、この計画では、0日(実験開始日)と5日経った日で水分量(野菜の重量?)を量ることになっておりますが、出来ることであれば、この間、毎日測定して時間経過を見るのが良いと思います。また、個体差のようなことも気になりますので、一種類の野菜について最低3つ位のものについて実験しては如何でしょうか。
実験の結果を踏まえて、「日にちが経つと水分量が減る訳」を探ることになりますが、何よりも大きな原因は収穫によって根からの水分供給が途絶えたことにあることは想像できることかと思います。「野菜の種類によって差が出る」のは何故かなどと興味が拡がりますね。
以上、思いつくままに書かせていただきましたので、ご参考にして下さい。
なお、収穫後の野菜の変化は販売する側にとっては(もちろん、購入する側にも)重大な問題ですので、専門的な出版が数多くあります。しかし、私はその分野の専門家ではありませんので、ここでは本の紹介は控えさせていただきます。
「自由研究」へのご協力ですね。
野菜の水分含量の変化の解析は、取り組みやすいテーマで、多方面のことと関わっており興味ありますね。先ずは、得られる結果から学ばれることをおすすめします。
ところで、予備知識として下記のようなことがあるかと思います。
毎日実感しておられることと思いますが、野菜は収穫後も生きております。種類や収穫の時期によって大きく異なりますが、一般には、生命活動を維持するための呼吸が行われ、成熟の過程(ホルモンの生産、養分や細胞壁の分解などの生理作用、緑色をした組織の場合は光合成も)が進行しております。また、活発な蒸散作用も営まれ、クチクラ層を傷つけられた植物体からは水分の蒸発も盛んです。野菜の水分含量は非常に高いので、水分の減少は“しおれ”となって現れて来ます。
研究をする上での注意点として下記のことがあります。
1)実験の材料を厳選すること:野菜の種類によって水分含量が変化する速度に大きな差があることを実感しておられると思いますが、その速度は成熟度や品種によっても大きく異なります。したがって、比較する実験のための材料の選択が問題になると思います。この点、ご自分の考えに基づいて選ぶことになりますね。
2)実験の条件を一定にしておくこと:呼吸などの生理活性や蒸散の作用などは温度や湿度などの外囲の条件によって大きく左右されます。したがって、比較する野菜は可能な限り同じ条件下に置かれる必要があると思います(なお、条件を同じにするために、比較する材料を密着させて置くことには問題があるかも知れません)。
3)水分の量りかたが確実であること:野菜の重さの変化で水分含量の変化を見積もることになるのかと思いますが、例えばトマトなどの場合を思い浮かべて下さると分かるように、成熟による化学組成の大きな変化がありますので、別の測定方法についても考える必要がありますね。ところで、この計画では、0日(実験開始日)と5日経った日で水分量(野菜の重量?)を量ることになっておりますが、出来ることであれば、この間、毎日測定して時間経過を見るのが良いと思います。また、個体差のようなことも気になりますので、一種類の野菜について最低3つ位のものについて実験しては如何でしょうか。
実験の結果を踏まえて、「日にちが経つと水分量が減る訳」を探ることになりますが、何よりも大きな原因は収穫によって根からの水分供給が途絶えたことにあることは想像できることかと思います。「野菜の種類によって差が出る」のは何故かなどと興味が拡がりますね。
以上、思いつくままに書かせていただきましたので、ご参考にして下さい。
なお、収穫後の野菜の変化は販売する側にとっては(もちろん、購入する側にも)重大な問題ですので、専門的な出版が数多くあります。しかし、私はその分野の専門家ではありませんので、ここでは本の紹介は控えさせていただきます。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2010-08-18
佐藤 公行
回答日:2010-08-18