一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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トウモロコシの粒(果実)のアリューロン層について

質問者:   教員   ぎょう
登録番号2302   登録日:2010-09-02
トウモロコシの1個1個の粒が果実で、果実は内側から胚乳、アリューロン層、果皮となっており、粒の色が黄色または白色のものはアリューロン層にアントシアニンが含まれておらず、粒が紫色のものはアリューロン層にアントシアニンが含まれているとのことですが、このアリューロン層は胚乳の一部なのでしょうか。それとも果皮またはその他の一部なのでしょうか。どちらなのかによって核相や表現型の出現のしかたが変わってくると思い、質問することにしました。
ぎょう さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
アリューロン層は胚乳組織(正確には、内乳endospermが組織の名称で胚乳Albumenは内乳に貯蔵されている物質のことですが混乱を避けるため内乳=胚乳組織と表現します。)の一部です。したがって核相は3nです。トウモロコシ、イネ、ムギなどで重複受精の後、2個の極核と1個の精核とが融合した3nの原核が、核分裂を繰り返し胚のうは多核となりますが、やがて細胞質分裂がおきて胚乳組織ができます。その過程で、胚乳組織の最外層の細胞はアリューロン層(糊粉層)へ、胚のう基部にあたるいくつかの胚乳細胞は基部転移(輸送)細胞(Basal Transfer Cells)、中央部を占める大部分の細胞群は胚乳貯蔵細胞へと分化します。つまり、胚乳組織は3つの型の細胞群からできていてアリューロン層はその1つです。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2010-09-02
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