はるかさん

　インビトロフラワーを咲かせたいという研究、大変面白そうに思います。ただ、この質問に一発回答できるような研究者は誰もいないでしょう。それは、材料とする植物によって、培養条件が様々に変わることを皆良く知っているからです。それぞれの植物の性質に合わせて、培地の無機イオン組成、ビタミン、ホルモン条件、あるいは生育温度、光条件などを様々に変えて、その中から自分の材料に最も良さそうなものを見つけるという作業が必要で、その様な条件を見つけだすのは、今でも立派な研究分野の一つです。むしろ上手く育てられないものが多いので、皆さん色々苦労しているのだと思います。はるかさんも、あながた材料としたい花にどんな培地を使ったら最も良いのかを捜し出すことが、卒業論文の最大の結果になるのではないでしょうか。
　といっても、手がかりも何もなしでは始められないでしょうから、最初は、よく使われている培地をそのまま使うことが一般的だと思います。それで上手く行かない場合に、ホルモン濃度などを変えてみるということが考えられます。ホルモンにもたくさんの種類がありますから、それも経験的に捜していくことになります。では、一番良く使われる培地やホルモンは何かということですが、それには教科書、参考書がたくさん出ていますから、自分の材料に近い種の植物があったら、それをまねしてみるところから初めて下さい。
　私は、ちょっと古い以下の本を使っていました。最近はもっといろいろな本が出ているでしょうし、あなたの学校の図書室にも必ずいくつかはあるものと思います。
　どうぞ頑張って花を咲かせて下さい。　
古川　仁朗【編著】　図解バイテクマニュアル　花・野菜・果樹の組織培養操作
ISBN:4416488106 　誠文堂新光社