一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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もくれんについて

質問者:   一般   niiru
登録番号2310   登録日:2010-09-23
 おそらくもくれん(白)だと思いますが、マンション駐車場に車をとめていますがもくれんの木の真下です。夏に入りだした頃から車全体に霧のようなベトベトしたものが霧状に毎日かかるのです、最初は分からなくてどこかの換気扇から油が飛んでくるのかとも思いましたが、どうやらもくれんの仕業らしいのです。これはどういう現象なのか、時期的なものなのか、それとも今年の異常気象でのことなのか、それによっては伐採を申し出て見ようと思っています。やはり他のもくれんの下に置いている人も同じようなことが起きていました。車は新車なので太陽の暑さとこの液体によって車が変色や腐食しないか心配です。毎日凄い量の液体なのです。
niiruさま

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。さて、以下のご質問ですが、これは植物の問題というよりは植物病理の問題ですが、私の知っている範囲でお答へいたします。同じような現象は他の植物、例えば、カエデでも見られます。私も、庭のモミジの葉から霧雨のようなものがふりそそいでいるのを見るがあります。部屋の窓越しに眺めると風情さへ感じさせます。しかし、これは樹自体の生理的現象ではなくて、昆虫のなせる技、しかも植物のとっては良くないわざなのです。カエデやモクレンでは sap sucker (樹液吸虫とでもいいましょうか)呼ばれる虫が樹液を吸います。これらの虫がいわば排泄物としてお尻から蜜を分泌します。オシッコみたいなものですね。一番ふつうなのはアムラムシです。ほかに、カイガラムシの仲間、ハダニの仲間、コナジラミの仲間などが知られています。これら虫が大量につくと、蜜の霧雨を降らせるのです。もちろん植物にとってはマイナスで、各種の病虫害をもたらします。特に若い樹には影響大です。駆除には殺虫剤を用いいるのが一番良いようです。技術的なことについては樹木栽培の仕事をしているところで聞かれるのがよろしいでしょう。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2010-09-28
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