質問者:
会社員
ギントコ
登録番号2314
登録日:2010-09-24
ご回答よろしくお願いいたします。ボトルツリーの葉
質問内容
ボトルツリーの葉形状について
一年前にボトルツリー(1mほど)を購入しました。当初は葉が7本の手のひら方型で生えていましたが、新葉は1本でしか生えなくなりました。育成環境の問題でしょうか?元の手のひら型の葉が生えるようアドバイスお願いいたします。
育成環境
室内・鉢植え・日当たりはまずます良好・肥料は栄養剤を2、3ヶ月に一度
ギントコ様
大変お待たせしました。ご質問の回答を葉の形態形成に詳しい東京大学大学院理学系研究科教授 塚谷 裕一先生にお願いしました。大変分かり易い説明をいただきましたので、お読み下さい。
ボトルツリーの葉のことでのご質問、ありがとうございます。ボトルツリーはオーストラリア原産で、10〜20mくらいの樹高になる大きな樹ですから、以前は温暖な沖縄などでないと見られなかったものですが、最近は鉢植えでも出回っているようですね。
ご質問の葉の形の変化は、異型葉性というものです。ヒイラギの葉は縁に棘がありますが、老木になると縁が丸くなりますね。あるいはダイズを種まきから育てると、最初の本葉は1枚でできていますが、あとの葉は3枚1セットの葉になってきます(こういう風にミツバやクローバーと同様、何枚かで一セットになっているように見える葉のことを複葉といいます)。ツル性のスイカズラなどは、地面を這うツルにつく葉は、特に初期の葉ほど縁がギザギザしていますが、上の方まで伸びた堅い茎から出る枝の方に付く葉は、まったく縁にギザギザがありません。このように植物は、その生理条件や齢に応じて、葉の形を変えることが割合普通です。ボトルツリーもそういう性質があって、若い頃に作る葉は細くて数個が放射状に、「手のひら状に」広がる複葉を示しますが、成熟してくると長めの1枚単位の葉(こういう葉を単葉といいます)を作るようになります。お育ての木も、愛培の成果として大人の葉を作るようになったのだと思います。もしどうしても葉の形を戻したいのであれば、酷なやり方ですが、少し剪定などで太い枝を切って細い枝だけ残すようにして、若い状態に戻るかどうか試すことになります。ヒイラギなども、木を切り戻すと新しい枝が若返って葉の縁に棘が復活することがあります。でも荒治療だけに、慣れていないと枯らしてしまいかねませんから、あまりお勧めできません。木の成人を祝って、名前の由来となっている根元のツボ状のふくらみが太るのを楽しむのが、自然な楽しみ方でしょう。ただしかなり大きな樹になるのは覚悟してくださいね。
東京大学大学院理学系研究科教授 塚谷 裕一
大変お待たせしました。ご質問の回答を葉の形態形成に詳しい東京大学大学院理学系研究科教授 塚谷 裕一先生にお願いしました。大変分かり易い説明をいただきましたので、お読み下さい。
ボトルツリーの葉のことでのご質問、ありがとうございます。ボトルツリーはオーストラリア原産で、10〜20mくらいの樹高になる大きな樹ですから、以前は温暖な沖縄などでないと見られなかったものですが、最近は鉢植えでも出回っているようですね。
ご質問の葉の形の変化は、異型葉性というものです。ヒイラギの葉は縁に棘がありますが、老木になると縁が丸くなりますね。あるいはダイズを種まきから育てると、最初の本葉は1枚でできていますが、あとの葉は3枚1セットの葉になってきます(こういう風にミツバやクローバーと同様、何枚かで一セットになっているように見える葉のことを複葉といいます)。ツル性のスイカズラなどは、地面を這うツルにつく葉は、特に初期の葉ほど縁がギザギザしていますが、上の方まで伸びた堅い茎から出る枝の方に付く葉は、まったく縁にギザギザがありません。このように植物は、その生理条件や齢に応じて、葉の形を変えることが割合普通です。ボトルツリーもそういう性質があって、若い頃に作る葉は細くて数個が放射状に、「手のひら状に」広がる複葉を示しますが、成熟してくると長めの1枚単位の葉(こういう葉を単葉といいます)を作るようになります。お育ての木も、愛培の成果として大人の葉を作るようになったのだと思います。もしどうしても葉の形を戻したいのであれば、酷なやり方ですが、少し剪定などで太い枝を切って細い枝だけ残すようにして、若い状態に戻るかどうか試すことになります。ヒイラギなども、木を切り戻すと新しい枝が若返って葉の縁に棘が復活することがあります。でも荒治療だけに、慣れていないと枯らしてしまいかねませんから、あまりお勧めできません。木の成人を祝って、名前の由来となっている根元のツボ状のふくらみが太るのを楽しむのが、自然な楽しみ方でしょう。ただしかなり大きな樹になるのは覚悟してくださいね。
東京大学大学院理学系研究科教授 塚谷 裕一
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見允行
回答日:2010-10-15
勝見允行
回答日:2010-10-15