質問者:
その他
原さつき
登録番号0232
登録日:2005-04-16
初めまして。ウキクサについて
私は今、ウキクサを育てているのですが、培養を続けていると、段々と培地のpHが高くなってしまい困っています。
pHが高くなったことによって、ウキクサの生育も悪くなってしまいます。
原因とその対処法が何かありましたら、教えていただけないでしょうか。
よろしくお願いします。
培地にはH培地を使用しています。
原さつき様
まずどういう状況でLemnaを育ているのですか?無菌?それとも大量培養?後者ならHyponexで元気に育ちます。pHも調整いりません。そうではなく実験室での無菌培養ならもっと厳密に制御しなくてはなりません。厳密な実験をしたいときには微妙な温度や光条件は当然培地に植える個体もそろえなくてはならない。定期的に植え替え(一週間ごと)実験につかうので培地いっぱいになるまでほっておくことは通常ありません。種を作らずに長期維持できる培地を考えておられるのかもしれませんがそれはLemnaを使っている研究者の永遠のテーマかもしれません。まったく状況がわからないのですが以下参考にしてみてください。初歩的な指摘ですみません。
H培地(これはHutner氏の培地でHillmanがLemnaに使うよう報告した(1960年代)文献豊富な培地です。2分の1濃度)。25mlの無菌培地で1コロニー(3つのフロンド)1-2週間でいっぱいに増えます。その中から一個無菌で毎週新培地に植えかえます。通常の1週間の培養で培地の栄養が消費されるのでpHはかわります。培地からの養分の吸収に関して一つ我々の興味深い発見を教えます。Lemnaに花をつかせることができるアスピリンに近い物質である安息香酸を培地に入れて一日もすれば全部Lemnaに吸収されてしまいます。Lemnaは重金属も積極的に吸収するということで汚染問題解決策にも検討されています。
‘培養を続けていると’というのがどのくらいのことなのか、どれくらいに増殖したのか植え替えをどの間隔でしているのかわかりません。pHの変化には原因がある(培地組成が変化している)のですが、単に結果かもしれません。生育に必要な微量元素がなくなってしまっているかもしれません。一ヶ月以上してLemnaが枯れてしまったなかから新たに緑のフロンドが育つことがあります。死がいから養分がもどったからかなとか、またその古培地で花がつくことも昔研究しました。しかしpHが変わったというのはいろいろ変わったからでそれが何かはすぐには結論できません。
通常液体培地で実験用のStock植物を培養するためなら、きちんと1週間毎、維持培養だけなら光を弱く(3000Lux)して2週間毎、寒天培地で光を弱く(1000Lux)して生育を遅らせても1ヶ月で植え替えが必要です。H培地はAmmoniumがはいっていてこれが開花阻害するので花の実験はM培地を使っています。これはpHの調整不要でpH4.1ですがLemnaは元気に育ちます。花の実験には1/10のM培地を使いました。これは調整なしでpH5くらいです。でもM培地では長く維持できないのでStock維持には面倒だけどH培地を使います。それでも頻繁に植え替えが必要です。
まずどういう状況でLemnaを育ているのですか?無菌?それとも大量培養?後者ならHyponexで元気に育ちます。pHも調整いりません。そうではなく実験室での無菌培養ならもっと厳密に制御しなくてはなりません。厳密な実験をしたいときには微妙な温度や光条件は当然培地に植える個体もそろえなくてはならない。定期的に植え替え(一週間ごと)実験につかうので培地いっぱいになるまでほっておくことは通常ありません。種を作らずに長期維持できる培地を考えておられるのかもしれませんがそれはLemnaを使っている研究者の永遠のテーマかもしれません。まったく状況がわからないのですが以下参考にしてみてください。初歩的な指摘ですみません。
H培地(これはHutner氏の培地でHillmanがLemnaに使うよう報告した(1960年代)文献豊富な培地です。2分の1濃度)。25mlの無菌培地で1コロニー(3つのフロンド)1-2週間でいっぱいに増えます。その中から一個無菌で毎週新培地に植えかえます。通常の1週間の培養で培地の栄養が消費されるのでpHはかわります。培地からの養分の吸収に関して一つ我々の興味深い発見を教えます。Lemnaに花をつかせることができるアスピリンに近い物質である安息香酸を培地に入れて一日もすれば全部Lemnaに吸収されてしまいます。Lemnaは重金属も積極的に吸収するということで汚染問題解決策にも検討されています。
‘培養を続けていると’というのがどのくらいのことなのか、どれくらいに増殖したのか植え替えをどの間隔でしているのかわかりません。pHの変化には原因がある(培地組成が変化している)のですが、単に結果かもしれません。生育に必要な微量元素がなくなってしまっているかもしれません。一ヶ月以上してLemnaが枯れてしまったなかから新たに緑のフロンドが育つことがあります。死がいから養分がもどったからかなとか、またその古培地で花がつくことも昔研究しました。しかしpHが変わったというのはいろいろ変わったからでそれが何かはすぐには結論できません。
通常液体培地で実験用のStock植物を培養するためなら、きちんと1週間毎、維持培養だけなら光を弱く(3000Lux)して2週間毎、寒天培地で光を弱く(1000Lux)して生育を遅らせても1ヶ月で植え替えが必要です。H培地はAmmoniumがはいっていてこれが開花阻害するので花の実験はM培地を使っています。これはpHの調整不要でpH4.1ですがLemnaは元気に育ちます。花の実験には1/10のM培地を使いました。これは調整なしでpH5くらいです。でもM培地では長く維持できないのでStock維持には面倒だけどH培地を使います。それでも頻繁に植え替えが必要です。
京都生物学研究所
貝原 純子
回答日:2009-07-03
貝原 純子
回答日:2009-07-03