一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

チェックリストに保存

クロロフィルはどうやってタンパク質に結合しているのか

質問者:   会社員   加藤
登録番号2336   登録日:2010-10-29
アセトンなどの溶媒にクロロフィルは溶出しますが、その時結合していたタンパク質は沈殿しますクロロフィルはどうやってタンパク質と結合しているのですか?
加藤 さま

本コーナーにご質問をお寄せ下さりありがとうございます。

クロロフィル蛋白質の中でクロロフィルは一定の位置に正確に配置されているものと思われます。しかし、色素部分であるクロロフィルはアポ蛋白質と共有結合で結ばれている訳ではありませんので、アセトンなどの有機溶媒による抽出で簡単に蛋白質から離れて溶出されます。両者を結びつけているのはフィトールを中心とする疎水基を介した相互作用、ポルフィリン環のマグネシウムへのアミノ酸残基の配位、水素結合などの非共有結合性の結合力です。

JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤公行
回答日:2010-10-31