一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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針葉樹と広葉樹の葉

質問者:   小学生   うーたん
登録番号2360   登録日:2010-12-08
私は自由研究で山の土で植物を育てました。でも野山の草花のようにすくすくと育ちませんでした。その原因を調べてみたら、広葉樹と針葉樹の木の下の土では、土の栄養が違うようだ、ということまでわかりました。
針葉樹でも少しは葉は落ちると思いますが、針葉樹の葉っぱは分解されて植物の栄養にはならないのですか?
うーたん さん



このコーナーに質問をくださりありがとう。自由研究ではどんな植物を育てようとしたのですか。“野山ですくすく育つ植物”との違いは何でしょうかね。



ところで、ご質問にお答えするまえに、ひとこと樹木につて説明をさせていただきます。実のところ、「広葉樹」にも「針葉樹」にも、毎年ほぼ一度にすべての葉を落としてしまう樹木(落葉樹)と一度には落とさない樹木(常緑樹)があります。針葉樹の多くは常緑樹ですが、カラマツやメタセコイヤなどは落葉樹です。



「落葉樹である広葉樹」の林では、毎年落ち葉が大量にでき、地表で昆虫や微生物などの生きものが多く生息できるので、生きもののはたらきで土壌は栄養ゆたかになります。「常緑樹である針葉樹」の場合にも、毎年ではありませんが(例えば、二年か三年ごとに)古い葉は地表に落ちます。しかし、針葉樹の落ち葉はかたくて油を含んでいることもあって、朽ちて分解されてゆく速度がおそく、土壌の栄養価は小さくなりがちです。それでも、時間が経つと分解され、結局は植物の栄養になります(ただし、雨水に流されて他の場所に移って行ってしまうこともあります)。



以上で解っていただけたでしょうか。また、質問をしてください。


JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤公行
回答日:2010-12-10
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