質問者:
小学生
モンティー
登録番号2402
登録日:2011-03-03
去年質問させていただきました、現在小学6年のモンティーです。今年は花粉だけでなく、去年絹さやえんどうについていた根粒菌についても調べてみることにしました。みんなのひろば
自由研究で行う根粒菌の観察について
今回は、根粒菌がつく土の違いや、つき方などを調べようとしています。
私は去年の経験から「無菌の土でもわずかだが後から根粒菌が入ってくる。」という仮説を立てました。また土により根粒菌の数が少ないと絹さやや根粒菌の成育に大きな違いがあると思います。この仮説などを確かめる為に次の様な実験を行おうとしています。
他の菌が入っていないように無菌用土のパーミキュライトを使い、根粒菌入りの物(市販の根粒菌添加剤)と根粒菌無しの物を作ります。また、成分無調整ピートモスを使い土を酸性にしたり、草木灰を使い土をアルカリ性にしたりしようとしています。
それをある程度の量、用意しデーターをとろうと思ってます。
植える植物は、絹さやえんどうを予定しています。
このような実験を行おうとしているのですが、このような実験は「根粒菌はあとからでもわずかだが土に入ってくる。」ということや「土による違い・・」の証明になるのでしょうか? そもそもこの土で絹さやえんどうが育つのかどうかも心配ですし、場所の関係からウットデッキ(つまり外です)にならべる為、正確なデーターにならない気がします。
分かりにくい文章・説明ですみません。
何かほかに良い実験方法、アドバイスがあったら教えて下さい。
モンティー君
いろいろ今年の計画を練っているようですね。
今回は、根粒も含めて、植物のいろいろな「こぶ」に詳しい東京大学名誉教授の庄野邦彦先生に回答をして頂きました。
根粒菌を感染させないのに、わずかに根粒がつくことがある理由、根粒のつきかたに影響する条件、根粒の数と絹さやエンドウの成長の関係、根についた根粒の数と根粒の大きさの関係などを調べる実験を計画されているのですね。(根粒菌によって根につくられる粒状の構造は根粒といいます。根粒菌と書かれているものは多分根粒のことだろうと思います。根粒菌は小さくて肉眼では見えません。)
とてもおもしろい計画だと思いますので、ぜひやってみて下さい。
行なおうとされている実験について、気が付いたことを書いてみますので、参考にしてみて下さい。
〇根粒菌を感染させないのに、わずかに根粒がつくことがある理由
無菌用土としてバーミキュライトを使用するのは良いと思います。
バーミキュライトを使っても、根粒菌を感染させないのに根粒ができてしまった場合には、
a) 風などによって空中から根粒菌がとんでくる。(この可能性を確かめるのには、容器をアルミホイールで覆って、地上部だけをアルミホイールにあけた孔から成長させるようにする。あるいは、インスタントコーヒーの空きびんなどのふたにあけた孔から地上部だけを成長させる方法もあります。)
b) マメの種子に根粒菌がついている。(種子を市販の洗剤のハイターを2倍に薄めたもので10分つけてから、水でよく洗って使用することで確かめられます。)
c) バーミキュライトを湿らせる水や、水やりの水に根粒菌が入りこんでいる。(湯冷ましの水を使う。)
d) 使用した容器に根粒菌が残っている。(容器を使用前に殺菌する。)
などの可能性があるのではないでしょうか。( )内は対処の方法です。
〇用土と根粒のつきかた
バーミキュライトにピートモスや草木灰を混ぜて、根粒のできかたをしらべる実験は、根粒の出来易い条件を知るうえで参考になると思います。
実験では、用土が酸性であるか、アルカリ性であるかということの影響を調べようとされているように思われます。もちろん、結果に差がでた場合、用土が酸性やアルカリ性であることによる影響もあるでしょう。
でも、例えば草木灰を加えた場合、草木灰には無機の塩類が入っていますので、その影響かもしれません。そのような可能性のあることも、気にしておいて下さい。
〇根粒の数と絹さやえんどうの成長の関係
バーミキュライトにピートモスや草木灰を加えた実験では、根粒菌を感染させたものの他に必ず根粒菌を感染させない対照を作っておくことが大事です。絹さやえんどうの成長に根についた根粒の影響だけではなく、ピートモス(酸性)や草木灰(アルカリ性)が影響する可能性がありますから。
〇根粒数と根粒の大きさの関係
根粒のつきかたを示すのは、数と大きさがありますね。数と大きさの関係はあるのでしょうか?調べてみるとおもしろいと思います。ぜひ、やってみて下さい。
庄野 邦彦(東京大学名誉教授)
いろいろ今年の計画を練っているようですね。
今回は、根粒も含めて、植物のいろいろな「こぶ」に詳しい東京大学名誉教授の庄野邦彦先生に回答をして頂きました。
根粒菌を感染させないのに、わずかに根粒がつくことがある理由、根粒のつきかたに影響する条件、根粒の数と絹さやエンドウの成長の関係、根についた根粒の数と根粒の大きさの関係などを調べる実験を計画されているのですね。(根粒菌によって根につくられる粒状の構造は根粒といいます。根粒菌と書かれているものは多分根粒のことだろうと思います。根粒菌は小さくて肉眼では見えません。)
とてもおもしろい計画だと思いますので、ぜひやってみて下さい。
行なおうとされている実験について、気が付いたことを書いてみますので、参考にしてみて下さい。
〇根粒菌を感染させないのに、わずかに根粒がつくことがある理由
無菌用土としてバーミキュライトを使用するのは良いと思います。
バーミキュライトを使っても、根粒菌を感染させないのに根粒ができてしまった場合には、
a) 風などによって空中から根粒菌がとんでくる。(この可能性を確かめるのには、容器をアルミホイールで覆って、地上部だけをアルミホイールにあけた孔から成長させるようにする。あるいは、インスタントコーヒーの空きびんなどのふたにあけた孔から地上部だけを成長させる方法もあります。)
b) マメの種子に根粒菌がついている。(種子を市販の洗剤のハイターを2倍に薄めたもので10分つけてから、水でよく洗って使用することで確かめられます。)
c) バーミキュライトを湿らせる水や、水やりの水に根粒菌が入りこんでいる。(湯冷ましの水を使う。)
d) 使用した容器に根粒菌が残っている。(容器を使用前に殺菌する。)
などの可能性があるのではないでしょうか。( )内は対処の方法です。
〇用土と根粒のつきかた
バーミキュライトにピートモスや草木灰を混ぜて、根粒のできかたをしらべる実験は、根粒の出来易い条件を知るうえで参考になると思います。
実験では、用土が酸性であるか、アルカリ性であるかということの影響を調べようとされているように思われます。もちろん、結果に差がでた場合、用土が酸性やアルカリ性であることによる影響もあるでしょう。
でも、例えば草木灰を加えた場合、草木灰には無機の塩類が入っていますので、その影響かもしれません。そのような可能性のあることも、気にしておいて下さい。
〇根粒の数と絹さやえんどうの成長の関係
バーミキュライトにピートモスや草木灰を加えた実験では、根粒菌を感染させたものの他に必ず根粒菌を感染させない対照を作っておくことが大事です。絹さやえんどうの成長に根についた根粒の影響だけではなく、ピートモス(酸性)や草木灰(アルカリ性)が影響する可能性がありますから。
〇根粒数と根粒の大きさの関係
根粒のつきかたを示すのは、数と大きさがありますね。数と大きさの関係はあるのでしょうか?調べてみるとおもしろいと思います。ぜひ、やってみて下さい。
庄野 邦彦(東京大学名誉教授)
JSPP広報委員長
柿本 辰男
回答日:2011-03-08
柿本 辰男
回答日:2011-03-08