質問者:
中学生
優
登録番号2412
登録日:2011-03-25
私はトリカブトを使用した薬を見たことがあります。雑草とは、ただ抜かれるだけのイメージがあったんですけど、薬に使えそうな雑草や食べれて体に良さそうな雑草があると思います。そういうもので何か商品化されている物はありませんか?雑草の魅力を教えてください。
みんなのひろば
雑草、毒草を使用したもの
優さん
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。優さんは先の質問への回答で、雑草とは何かを学んだと思いますので、ここでは特にいわゆる雑草という事ではなく、一般に食べられる野草、薬になる野草、有毒な野草ということでお答えします。樹木のことには触れません。
私達が日常食している野菜、穀物、果物などは全て、もとをたどれば自然の中で生育していた野生の植物です。人類が長い歴史の中で、経験によって食べられるものなど、役に立つ植物を見いだし、選別して改良を加えてきたものです。したがって、どの植物にもそのもととなる「原種」が存在します。私達が現在野草とよんでいる植物のなかにもそれらの原種がありますし、既に消えてしまったものや、原種が特定できないものもあります。いってみれば、今ある野草は、いわゆる雑草も含めて、いろいろな意味で食用には向かないか魅力の無いものとして、原種のまま残っているのです。もっとも、改良を加えると素晴らしい食用の植物となるものもあるかもしれません。また、一般的ではないが、地域によっては珍味として食用に供せられる野生植物も多くあります。ごく普通で誰でも知っていると思われるのは、ヨモギ、ノビル、フキのとう(フキの花)、セリ、ワラビ、ゼンマイ(この二つはシダです)等がありますね。最近は、今までいわゆる山菜として野山で採取してきたこれらの植物が、栽培されて野菜のように売られていますので、これらの植物はだんだん改良されて普通の野菜のようになるかもしれません。
次に薬草ですが、これはいわば漢方の世界です。どんな植物が使われているか、本やインターネットで調べてみて下さい。昔から民間療法として、様々な植物が家庭で使われてきました。ドクダミ、ゲンノショウコ、オオバコ、タンポポ、ヘクソカズラ、カキドオシ、クズ、ハコベ、イタドリ、などは身の回りにもみられるものです。その薬効はさまざまで、関心があればネットででも調べて下さい。薬用に供せられる植物は実に多種あります。どの植物もそれぞれ特徴ある成分(物質)をふくんでいますので、それらが薬効があると考えられます。そして、それらの成分はほとんどの場合抽出されて、なにであるか分かっています。製薬会社による新薬の開発も、このような薬効のある植物成分をもとに行われることが多いのです。
毒草は薬草でもあります。量が多かったり、使い方を誤ると毒として働くものもあります。毒草といっても体内に取り入れると、毒である場合や、触ると良く無い場合もあります。私達の日常の生活範囲内でみられる毒草はほとんどありません。山菜だと思って採取してきて食し、中毒する場合はしばしばあります。よく、間違われるのはセリとドクゼリです。フキノトウもハシリドコロやフクジュソウの芽と間違えられます。多くの毒草の毒はタバコのニコチンのようにアルカロイドという仲間の化合物です。ドクゼリは違いますが。
以上の様な訳で薬効成分の利用を含めると、商品化されていないものは無いのではないでしょうか。
次いでですが、野草の魅力は食べる食べられる、薬効が有る無しだけではなく、花は色や形の美しさにもあります。園芸品種の草花にもやはり原種があります。最近園芸店に行くと外国の野生の植物が沢山園芸品のように売られていますね。植物を「雑草」呼ぶのは、言ってみれば差別ですね。そんな植物でも、一つ一つよく観察してみると素晴らしい生き物だということが分かります。
質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。優さんは先の質問への回答で、雑草とは何かを学んだと思いますので、ここでは特にいわゆる雑草という事ではなく、一般に食べられる野草、薬になる野草、有毒な野草ということでお答えします。樹木のことには触れません。
私達が日常食している野菜、穀物、果物などは全て、もとをたどれば自然の中で生育していた野生の植物です。人類が長い歴史の中で、経験によって食べられるものなど、役に立つ植物を見いだし、選別して改良を加えてきたものです。したがって、どの植物にもそのもととなる「原種」が存在します。私達が現在野草とよんでいる植物のなかにもそれらの原種がありますし、既に消えてしまったものや、原種が特定できないものもあります。いってみれば、今ある野草は、いわゆる雑草も含めて、いろいろな意味で食用には向かないか魅力の無いものとして、原種のまま残っているのです。もっとも、改良を加えると素晴らしい食用の植物となるものもあるかもしれません。また、一般的ではないが、地域によっては珍味として食用に供せられる野生植物も多くあります。ごく普通で誰でも知っていると思われるのは、ヨモギ、ノビル、フキのとう(フキの花)、セリ、ワラビ、ゼンマイ(この二つはシダです)等がありますね。最近は、今までいわゆる山菜として野山で採取してきたこれらの植物が、栽培されて野菜のように売られていますので、これらの植物はだんだん改良されて普通の野菜のようになるかもしれません。
次に薬草ですが、これはいわば漢方の世界です。どんな植物が使われているか、本やインターネットで調べてみて下さい。昔から民間療法として、様々な植物が家庭で使われてきました。ドクダミ、ゲンノショウコ、オオバコ、タンポポ、ヘクソカズラ、カキドオシ、クズ、ハコベ、イタドリ、などは身の回りにもみられるものです。その薬効はさまざまで、関心があればネットででも調べて下さい。薬用に供せられる植物は実に多種あります。どの植物もそれぞれ特徴ある成分(物質)をふくんでいますので、それらが薬効があると考えられます。そして、それらの成分はほとんどの場合抽出されて、なにであるか分かっています。製薬会社による新薬の開発も、このような薬効のある植物成分をもとに行われることが多いのです。
毒草は薬草でもあります。量が多かったり、使い方を誤ると毒として働くものもあります。毒草といっても体内に取り入れると、毒である場合や、触ると良く無い場合もあります。私達の日常の生活範囲内でみられる毒草はほとんどありません。山菜だと思って採取してきて食し、中毒する場合はしばしばあります。よく、間違われるのはセリとドクゼリです。フキノトウもハシリドコロやフクジュソウの芽と間違えられます。多くの毒草の毒はタバコのニコチンのようにアルカロイドという仲間の化合物です。ドクゼリは違いますが。
以上の様な訳で薬効成分の利用を含めると、商品化されていないものは無いのではないでしょうか。
次いでですが、野草の魅力は食べる食べられる、薬効が有る無しだけではなく、花は色や形の美しさにもあります。園芸品種の草花にもやはり原種があります。最近園芸店に行くと外国の野生の植物が沢山園芸品のように売られていますね。植物を「雑草」呼ぶのは、言ってみれば差別ですね。そんな植物でも、一つ一つよく観察してみると素晴らしい生き物だということが分かります。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2011-03-28
勝見 允行
回答日:2011-03-28