質問者:
高校生
げにゃブーン
登録番号2419
登録日:2011-04-14
学校の研究でカタツムリの嗜好性を調べているとカロテンが怪しいとおもい、工業的に作られた粉末カロテンを買ったのですが、カタツムリにヘキサンで溶かしたものを寒天で固めて与えるわけにいかないので、生体に無害な方法でカロテンを溶かす方法を教えてもらえませんか?よろしくおねがいします
みんなのひろば
生体に無害な方法でカロテンを溶かす
げにゃブーン さん
ご質問をありがとうございました。
この質問にはカロテノイドのことについてお詳しい高市先生から回答文をいただきましたので、ご参考にしてください。なお、カロテンの含まれていないヘキサンやアルコールを添加した対照実験や、カロテンの濃度を変えた実験をしてみると良いと思います。
(高市先生からの回答)
カタツムリの餌は野生では緑葉などですが、飼うときは野菜類とカルシウムの補給に卵の殻を与えます。ニンジンの根を餌にすると糞が赤くなります。
質問者がどの様な餌を与えているのか、どの様に嗜好性を調べたのか判りませんが、その餌あるいは適当なものの表面にヘキサンに溶かしたカロテン(β-カロテン)を付けるとヘキサンは直ぐに蒸発してβ-カロテンのみ残るので、β-カロテンの有無の比較が出来ると思います。β-カロテンは濃いと光を吸収して赤く見えますが、赤色でなく薄い黄色でも量的には充分あります。
餌との関係が判りませんが、寒天に固めたいのでしたら、アルコール(エタノール)に溶かして、その溶液を蒸留水で薄めると均一な水溶液状態になります。これに寒天を入れ加熱・冷却すればβ-カロテン入りの寒天ができるはずです。加熱により大部分のアルコールは蒸発します。ただしアルコールに溶かしたβ-カロテンが濃すぎるとうまく水溶液にならずに、β-カロテンが会合して水と分離してしまいます。アルコールは有機溶媒の中では生毒性が弱く水にも溶けますが、ヘキサンは水と混ざらないのでこの様なことができません。
高市 真一(日本医科大学生物学教室)
ご質問をありがとうございました。
この質問にはカロテノイドのことについてお詳しい高市先生から回答文をいただきましたので、ご参考にしてください。なお、カロテンの含まれていないヘキサンやアルコールを添加した対照実験や、カロテンの濃度を変えた実験をしてみると良いと思います。
(高市先生からの回答)
カタツムリの餌は野生では緑葉などですが、飼うときは野菜類とカルシウムの補給に卵の殻を与えます。ニンジンの根を餌にすると糞が赤くなります。
質問者がどの様な餌を与えているのか、どの様に嗜好性を調べたのか判りませんが、その餌あるいは適当なものの表面にヘキサンに溶かしたカロテン(β-カロテン)を付けるとヘキサンは直ぐに蒸発してβ-カロテンのみ残るので、β-カロテンの有無の比較が出来ると思います。β-カロテンは濃いと光を吸収して赤く見えますが、赤色でなく薄い黄色でも量的には充分あります。
餌との関係が判りませんが、寒天に固めたいのでしたら、アルコール(エタノール)に溶かして、その溶液を蒸留水で薄めると均一な水溶液状態になります。これに寒天を入れ加熱・冷却すればβ-カロテン入りの寒天ができるはずです。加熱により大部分のアルコールは蒸発します。ただしアルコールに溶かしたβ-カロテンが濃すぎるとうまく水溶液にならずに、β-カロテンが会合して水と分離してしまいます。アルコールは有機溶媒の中では生毒性が弱く水にも溶けますが、ヘキサンは水と混ざらないのでこの様なことができません。
高市 真一(日本医科大学生物学教室)
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2011-04-22
佐藤 公行
回答日:2011-04-22