一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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雑草の中の雑草ってあるんですか? それと、ホトケノザって食べられるんですか?

質問者:   中学生   優
登録番号2423   登録日:2011-04-22
私は雑草について調べています。雑草にはは食べられるものと毒のあるものがありますが、スズメノカタビラと オランダミミナグサとイヌフグリ は有毒とは書かれていませんが食べられるとも書かれていません。これらは、雑草の中の雑草と言うことなのでしょうか?雑草は食べられるものと食べられないものとその他があるということですか?では、その他とはなんですか?

それから、ホトケノザは図鑑に有毒とかいてあったのですが、春の七草じゃなかったでしょうか?
優君

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。優君は前にも同じ様な質問をされていますね(登録番号2411, 2412)。その回答をもう一度良く読んでください。また、登録番号2361の回答も参考にして下さい。
「雑草」というのは、植物の種類として特別にそういう仲間がある訳ではありません。人間が自分の都合から、生えていない方が望ましい草をまとめてそう呼んでいるのです。例えば、農耕地などで栽培植物と一緒に生え、栽培植物の生育の邪魔になる植物は雑草とされます。牧草地でも家畜がたべると有毒な植物は雑草になります。また、公園、運動場、道路、家の周り、駐車場等の人の居住区域に生えて邪魔な植物は雑草です。だから、これらの植物は駆除の対象になります。雑草と呼ばれている植物は一般に生命力が強く、繁殖力を旺盛です。どんなに美しい花を咲かせても、また、食べることができても、薬になっても、農耕地で目的の栽培植物の生育のじゃまになったり、害を及ぼす植物は全部雑草扱いです。でもこれらの植物が、人里と関係のない山や林の中に生えているとしたら、雑草としてはあつかいません。「雑草の中の雑草」などという植物はありません。雑草とよばれている植物の中で食べられるものもあるし、毒のものもありますし、薬になるものもあります。また、美しい花を咲かせるものあります。それは、自然に生えている植物の中で、食べられるものもあるし、有毒のものあるし、薬になるものあるし、美しい花を咲かせるものもある、まだ、何か役にたつかどうかまだ分からないものもあるというのと同じことです。
春の七草の中で「ホトケノザ」と呼ばれている植物は現在の「ホトケノザ」ではありません。それは、「コオニタビラコ」というキク科の植物です。ちなみに、春の七草のなかで、ナズナは通称ペンペングサ、ゴギョウはハハコグサ、ハコベラはハコベ、スズナはカブ、スズシロはダイコンのことです。
現在ホトケノザと呼ばれている植物はシソ科の植物です。ホトケノザにはイリドイド配糖体という仲間の化合物が含まれています。この物質自体は他のいろいろな植物にも含まれていて、ある種の薬効があるようです。これを多量に摂取すれば毒かもしれませんが、少しばかり植物体を食べて毒ということはないでしょう。外国の文献によれば、ホトケノザの若い葉は食用に供されるそうです。ゆでで食べたり、サラダの香草として加えたりするそうです。しかし、野草を食するときはよく調べてからにして下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2011-04-24
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