一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ツツジの花弁の色分かれ

質問者:   一般   タチツボスミレ
登録番号2431   登録日:2011-05-08
友人が、白いツツジの株の中に、一つだけ、白とピンクに色分れした花弁を持つ花を見つけたそうです。
白い花弁の部分のおしべは白く、ピンクの花弁の部分のおしべはピンクに、と、おしべまで色分れしていたとのこと。
このような現象がおきる原因をお教えいただけますか?
タチツボスミレ様

ご質問ありがとうございます。品種ごとに決まった模様ではなく、このようにランダムに起きる模様に何か感じたわけですね。素晴らしい観察力です。アサガオやサザンカなど、様々な花で見られます。
これは、トランスポゾンと呼ばれる動く遺伝子によるものと思われます。色素合成系遺伝子にトランスポゾンが挿入されて不活化したために花が白くなっていた植物において、トランスポゾンが抜けた為に遺伝子機能が復活して本来の色になったわけです。トランスポゾンの移動は様々な時期に起き、遺伝子機能が復活した細胞から増えた細胞にはすべて色がつき、ピンクのセクターができます。雄しべと花弁の両方において同じ角度領域で色が付いていたということは、花の発生過程において、雄しべと花弁の運命が分かれる前に、中心から見た角度の違う領域を占めることになる細胞が分かれたということになるわけです。#2186にも詳しく解説していますので、読んでみて下さい。
JSPP広報委員長
柿本 辰男
回答日:2011-05-10
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