一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ひまわりの種の縞模様と種の形の紡錘状の理由について

質問者:   自営業   くまさん
登録番号2436   登録日:2011-05-16
地域の学校の観察農園へヒマワリを播種することになり、小学生からの質問です。

1 ヒマワリの種はどうして縞模様になっているのですか?
2 ヒマワリの種はどうして紡錘状になっているのですか?

という質問があり、色々調べても良く分かりませんので
宜しくお願いします。
くまさん様

みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。ご質問はありがたいのですが、きちんと回答が出来ない質問なので、実は弱っています。きちんとした回答にはならないのですが、関係のありそうな事について述べてみます。ヒマワリには黒い(濃い紫色)たね(植物学的には果実です。痩果と云います)を作るものもあります。このたねの皮(果皮)には発芽阻害物質が含まれているので、地面に落ちてもなかなか発芽しません。含まれている阻害物質が効かなくなるまでの時間が違うからか、発芽の時期が揃いません。野外に自生しているものについては、発芽の時期がずれることは生存に有利に働きますが、栽培する場合、発芽の時期が揃わないと厄介です。と云う理由で、栽培する場合には黒いたねは敬遠されることになります。私もヒマワリを使って研究をしていた事がありますが、黒いたねは使いませんでした。こういうことから、一般にはご質問にある黒くなく縞模様のたねが選ばれていると思います。黒いたねがあると言いましたが、黒いたねにも黒い地の下に縞があります。この縞がどのようにして出来るのかにつては調べられていないと思いますが、一昔前、平田森三と云う物理学者がウズラマメやヒマのたねの表面の模様や、キリンのまだら模様がどのようにして出来るのかについての理論を立てました(「キリンのまだら」・平田森三、ハヤカワ文庫)。平田理論はその後否定され、今ではイギリスの数学者のアラン・チューリングの立てた理論が受け入れられているようです。チューリングの方程式を二次元の平面に展開しコンピューターで計算させるとキリンやシマウマやヒョウなどの模様を、式の値を僅かに変えるだけで、簡単に作れるそうです(「きりんのまだら」の末尾にある近藤滋による解説)。熱帯魚の縞模様もこの方程式で行けるそうですので、ヒマワリのたねの縞模様もあるいはこの方程式でいけるのかも知れませんが、分かりません。たねの形ですが、紡錘形ではないですね。花托(花床)についていた側が細く、めしべのついていた側が太くなっています。このような形だと、沢山のたねが花托に着くのに着きやすいですが、それであのような形になっているのかどうかは、分かりません。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2011-05-23
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