質問者:
一般
オハッチ
登録番号2437
登録日:2011-05-17
5月13日、草むらの中に白いものがあったので、近づいてみると、なんと白い植物でした。高さは30数cmで、下から15cmくらいの茎が赤みがかった茶色で、そこから上の茎とすべての葉が真っ白です。最上部をよく見たのですが、花の構造は持っておりませんでした。真っ白な植物
その他の特徴
茎…まっすぐに伸びた1本の茎。太さは上で約0.4cm、下で0.8cm程度
葉…やや細長のハート形。1枚ずつ直交して生えています。葉の大きさは、大きいもので4×8cm、小さいもので1×2cmです。
とにかく白い植物に驚いています。
植物の名前を教えてください。よろしくお願いいたします。
※写真がありますので送ることもできます。
オハッチ様
質問コーナーへようこそ。 歓迎にいたします。白い植物があったら驚きますよね。植物が白いということはどういうことか考えてみて下さい。植物はふつう緑色をしていますね。それは葉緑素を含んでいるからです。葉緑素は光合成を行うために必要です。葉緑素の働きで、光(のエネルギー)と水と二酸化炭素から糖・デンプンを合成し、植物の成長に必要な他の全ての有機栄養分を自分で作っています。だから、植物は自家栄養型だといいます。だとすると、葉緑素がないと栄養分をまかなうことができず、成長出来ないことになります。したがって、白い(葉緑素を欠いた)植物は本来は存在しないのです。しかし、例外があります。3つのタイプの例外が考えられます。第一は植物の一生をとして真っ白である場合です。これは特殊な植物で、よく知られているには、”ギンリョウソウ(ユウレイタケとも呼ばれます)です。日本全体に分布しする腐生植物です。高さは10〜20cm位になり、葉は鱗状で茎に密着しています。類似のもに、”ギンリョウソウモドキ”と言うのがあります。この植物は自分で光合成ができないので、腐葉土のような土壌から栄養を摂っているのです。季節的に今ころ林の中で見かけることが出来ます。植物図鑑で調べて下さい。あなたが見られた白い植物はこれではありません。第二はいわゆる”もやし”です。どんな植物も暗いところで芽をだすと、葉緑素が合成されず、白っぽくなります。ただし、ギンリョウソウのように純白ではなく、やや黄みがかっているのが普通です。もやしは黄白化植物といいます。それに、もやし植物は葉が展開・生長せず、茎がひょろながいのが特徴です。あはたがみられた白い植物は勿論もやしではありまぜん。第三は突然変異によるいわゆる”しろこ”です。これはたまたま突然変異によって葉緑素の合成能力が失われてしまったものです。どんな植物でも、”しろこ”が生じる可能性はあります。しかし、光合成ができないため生育できません。”しろこ”植物は種子から芽がでてしばらくは、種子の子葉や胚乳に蓄えられた養分を使って成長を続けることはできますが、栄養分の供給源が枯渇すると枯れてしまいます。したがって”白色植物”として生きながらえることができるのは、幼植物(芽生え)としてのわずかな間だけです。”色白薄命”ということでしょうか。私もかって、ミズナラ(ドングリ)の純白な芽生えを採取したことがあります。樹木の芽生えの”しろこ”は珍しかったので、なんとか育てられないこと、人工培地で試みたことがありますが駄目でした。あなたがみられた白い植物はきっと何かの”しろこ”だと思います。質問中の説明だけでは何の”しろこ”かは分かりません。写真があれば分かるかもしれません。なお、葉緑素が欠ける突然変異は葉の部分だけ起きる場合もあり、これはいわゆる”斑入り”として知られています。斑入りについては登録番号0235、0465、0468、0727、0749、1272をご覧下さい。
質問コーナーへようこそ。 歓迎にいたします。白い植物があったら驚きますよね。植物が白いということはどういうことか考えてみて下さい。植物はふつう緑色をしていますね。それは葉緑素を含んでいるからです。葉緑素は光合成を行うために必要です。葉緑素の働きで、光(のエネルギー)と水と二酸化炭素から糖・デンプンを合成し、植物の成長に必要な他の全ての有機栄養分を自分で作っています。だから、植物は自家栄養型だといいます。だとすると、葉緑素がないと栄養分をまかなうことができず、成長出来ないことになります。したがって、白い(葉緑素を欠いた)植物は本来は存在しないのです。しかし、例外があります。3つのタイプの例外が考えられます。第一は植物の一生をとして真っ白である場合です。これは特殊な植物で、よく知られているには、”ギンリョウソウ(ユウレイタケとも呼ばれます)です。日本全体に分布しする腐生植物です。高さは10〜20cm位になり、葉は鱗状で茎に密着しています。類似のもに、”ギンリョウソウモドキ”と言うのがあります。この植物は自分で光合成ができないので、腐葉土のような土壌から栄養を摂っているのです。季節的に今ころ林の中で見かけることが出来ます。植物図鑑で調べて下さい。あなたが見られた白い植物はこれではありません。第二はいわゆる”もやし”です。どんな植物も暗いところで芽をだすと、葉緑素が合成されず、白っぽくなります。ただし、ギンリョウソウのように純白ではなく、やや黄みがかっているのが普通です。もやしは黄白化植物といいます。それに、もやし植物は葉が展開・生長せず、茎がひょろながいのが特徴です。あはたがみられた白い植物は勿論もやしではありまぜん。第三は突然変異によるいわゆる”しろこ”です。これはたまたま突然変異によって葉緑素の合成能力が失われてしまったものです。どんな植物でも、”しろこ”が生じる可能性はあります。しかし、光合成ができないため生育できません。”しろこ”植物は種子から芽がでてしばらくは、種子の子葉や胚乳に蓄えられた養分を使って成長を続けることはできますが、栄養分の供給源が枯渇すると枯れてしまいます。したがって”白色植物”として生きながらえることができるのは、幼植物(芽生え)としてのわずかな間だけです。”色白薄命”ということでしょうか。私もかって、ミズナラ(ドングリ)の純白な芽生えを採取したことがあります。樹木の芽生えの”しろこ”は珍しかったので、なんとか育てられないこと、人工培地で試みたことがありますが駄目でした。あなたがみられた白い植物はきっと何かの”しろこ”だと思います。質問中の説明だけでは何の”しろこ”かは分かりません。写真があれば分かるかもしれません。なお、葉緑素が欠ける突然変異は葉の部分だけ起きる場合もあり、これはいわゆる”斑入り”として知られています。斑入りについては登録番号0235、0465、0468、0727、0749、1272をご覧下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2011-05-23
勝見 允行
回答日:2011-05-23