一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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冬の木枝から糸?

質問者:   一般   カズコ
登録番号2439   登録日:2011-05-17
北海道、真冬。木の枝の先端から、ネバネバした糸が延びて(5〜20センチ)
霜氷が付いて風に揺れているシーンを何度も見ました。
昆虫もいない時期です。あまりにも寒くて(-10℃くらいの冬の河近く、川からの冷気の当たる場所に多い)植物が身を守るために何か出てくるのか?疑問に思っております。写真はございます。どうぞよろしくおねがい致します。
カズコ さん

ご質問を有り難うございました。
この質問にも、登録番号2438の場合と同じく、北海道のことに詳しい北大の荒川先生にお答えいただきましたので、ご参考にして下さい。


(荒川先生からの回答)
きれいな写真を拝見させていただきましたが、おそらくクモの糸のような昆虫由来の繊維状物質がもとになっているものと思われます。おそらく降雪前に作られたクモの巣のようなものが残っており、それに霜がついたのではないでしょうか。いただいた写真から判別するのは難しいのですが、おそらくナラ類の枝にも糸状に垂れ下がっているように思われますが、このような樹種が繊維状に何かを分泌するという事例は調べた範囲内ではわかりませんでした。仮に粘性の高そうな物質を分泌したとしても、写真のように細く繊維状に垂れ下がったままであることは考えにくいため、やはりこれは植物由来ではなく、クモの糸のような繊維状物質であろう、という結論に達しました。(山歩きするような研究者の方々からも意見を聞いた結果です)。

荒川 圭太(北海道大学大学院農学研究院・樹木生物学研究室)
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2011-06-03
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