一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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離層について

質問者:   一般   星の王子
登録番号2442   登録日:2011-05-23
植物が葉を落とす理由について本を見ていたら、「離層」と言う言葉が出てきました。その中に「離層とは、落葉前に葉柄と枝の境に出来る特殊な組織で、大部分が柔細胞からなり、落葉期が来るまで養・水分が通っていた篩菅や導管が遮断されるので、維管束は仮導管のみとなります。」と出ていました。では何故仮導管を持つイチョウは水分が遮断され、葉を落とすのでしょうか?カラマツなども仮導管を持っているのに葉を落とす植物ですが、理由は同じなのでしょうか?宜しくお願いします。
星の王子 さん:

質問コーナーのご利用ありがとうございます。
「・・・・・・・・・篩菅や導管が遮断されるので、維管束は仮導管のみとなります。」との記載はどのような書物にあったのでしょうか? この記載は被子植物について述べていると思いますが、被子植物には導管と同時に仮導管もあります。しかし、導管も仮導管も通導組織で、落葉時にはその通道は遮断されます。落葉の解剖学的、生理学的研究が針葉樹について行われているかどうか確認されませんので、現段階では広葉落葉樹でおきる仕組みと同じ仕組みと考えています。常緑樹はまったく落葉しないのではなく、葉の寿命が1年以上と長く、その寿命も葉によって違うだけで、順次落葉しています。落葉樹はすべての葉の寿命がほぼ同じなので一斉に落葉するものです。

なお、導管、仮導管の分布については登録番号1113をご覧になってください。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2011-05-25
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