くりちゃん

このコーナーにご質問を有り難うございました。
まず、今回の放射能汚染の問題を考えてみます。茶の新葉から放射能が検出されたとのことですから、原理的には、以下の三つの場合があり得ると思います。（１）土壌中の放射性セシウムが根で吸収され、新葉に輸送された、（２）放射性セシウムが古葉に吸収され、新葉に転流された、（３）放射性セシウムが新葉の表面に付着していた場合の三つです。ところで、農水省の発表したデータによると、茶畑の土壌中のセシウム濃度は高くないようで、また一方、放射性物質の大気への放出は新葉が展開する前にあったようですので、今回の汚染は（２）の場合に当たると考えるのが妥当なようです（農水省見解）。次のホームページに農水省のデータと見解が掲載されていますので、ご参考にして下さい。

http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/tya_taiou.html

http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/pdf/ocha02.pdf

ところで、一般論として、栄養素や無機物質が葉から吸収されるかどうかについては本質問コーナーの登録番号2152に回答がありますので、ご参考にして下さい。根は養分吸収のために特殊化された器官で、効率よくその機能を果たします。しかし、葉面など植物体の他の部分でも養分の吸収は可能で（場合によりますが）、農業技術としては葉面散布が行われる場合もあるようです。

なお、茶の場合、新葉の展開に際して、古葉から新葉への養分の転流は顕著なことのようです。