一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ジャンボニンニクについて

質問者:   自営業   前中
登録番号2471   登録日:2011-06-29
家庭菜園でジャンボニンニクを栽培しています。
収穫時に根の付近や外皮の中に茶色い実の様なものがあります。
ネットで調べても木子、子球、むかごなどと呼ばれていますが正式な呼び名はあるのでしょうか。
この実は秋に発芽して翌年一片ニンニクになりますがこぼれ種の発芽です。
収穫したのを植えても発芽しません。
昨年は低温処理で3-2-1カ月と区分けしてみましたがダメでした、私の努力をあざ笑うかのようにこぼれ種は芽を出しました。低温湿潤処理はこちらで初めて知りました冷やすだけでは無意味だったのですね。
この実の発芽法があればお教えください。
前中 さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
ジャンボニンニクが注目を集め始めたのは比較的最近のことです。古くからあったものが、米国オレゴン州の放棄された東バルカン人移住地で1941年に「再発見」された大型のニンニク近縁種が米国、英国から日本にまで広まってきたものです。大型の鱗茎と丈夫で栽培が比較的容易、いわゆるニンニク臭が少ないのでポピュラーになってきたようです。植物学的にはニンニク(Allium sativum)とは違う種のAllium ampeloprasumで、ニンニクというよりリーキ(Leek、リーク、ニラネギ、西洋ネギ、ボロネギ Allium porrum)に近いものとされています。ニンニクと違うのは鱗茎を引き抜くと根の付け根にbulbilと呼ぶ鱗芽ができていることです。この鱗芽は乾燥前では容易に発芽しますが、乾燥すると外皮(葉ですが)が非常に硬くなって吸水もできず、発芽できなくなってしまうものです。乾燥した鱗芽を発芽させた記載はありませんので方法は分かりませんが、硬い外皮に物理的に穴をあけたら(ヤスリでこするとか、錐で穴をあける)たらどんなものでしょうか。他の、殻の固い種子にはよく利用する方法ですので試してみる価値はありそうです。なお、学術用語集植物学編によるとbulbilは むかご、鱗芽、肉芽、小鱗茎と訳されていますがここでは鱗芽がもっとも適当と判断してこの語を使用しました。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2011-07-13
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