一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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糖葉

質問者:   中学生   2m2m2
登録番号2478   登録日:2011-07-11
 授業中,「植物には,糖葉,デンプン葉がある.」と聞いて,こう思いました.
 ホウレンソウや,ネギ,タマネギなどを含む糖葉は,ショ糖などの栄養分を光合成で作り,そのまま篩管に通して回しています.しかし,デンプン葉は,デンプンを光合成で作ってからそのあと,ショ糖などの栄養分に変え,篩管に通して回しています.
 なぜ,デンプン葉は,こういう風にデンプンを作ってからショ糖などの栄養分に変えるという面倒くさい事をするのですか?
2m2m2さん

みんなのひろばへのご質問ありがとうございます。実は私のメールボックスに来ていた質問を後で答えようと思っていて忘れており、遅くなってしまいました。大変するどい質問ですね。質問2238への鈴木先生の回答にもありますが、糖葉とでんぷん葉に絶対的な違いはなく、でんぷんと糖の割合がどれくらいかという相対的なものです。光合成で、トリオースリン酸ができ、これからショ糖もでんぷんも作られます。ただ、ショ糖をたくさん貯めると浸透圧が上昇します。浸透圧は、水を吸い取る力となりますが(ナメクジに塩をかけると水が吸い取られてしまうのも同じです)、これが強すぎると耐えられない植物があります。そこで、ひとまずでんぷんにしておくのです。でんぷんとは、ブドウ糖がたくさんつながった大きな分子です。でんぷんは水に溶けず、浸透圧が高くならないのでたくさん貯められるのです。動物も余分な栄養分はグリコーゲンや脂肪など、水に溶けにくい物質で貯めておきます。
JSPP広報委員長、大阪大学
柿本 辰男
回答日:2011-08-10
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