質問者:
小学生
うーたん
登録番号2484
登録日:2011-07-27
私は樹で完熟させたトマトと、まだ青みが残っているうちに収穫して赤くさせたトマトで糖度を比べてみました。みんなのひろば
樹から獲ってもなぜ赤くなり続けられるのか
収穫後赤くなったトマトは、柔らかくはなったけれど樹で完熟させたほうが糖度が高いという結果でした。私は、早いうちに収穫したトマトは、光合成で出来た糖分を樹からもらえなくなったので、甘くならないのだろうと考えました。でも、なぜ樹からはなれても赤くなり続けられるのかはわかりませんでした。早いうちに収穫したトマトは、常温で保存していました。
うーたん さん:
なかなか鋭いご質問ですね。同じ果実でおきることなのに不思議ですね。
果実の甘みのもとは糖類です。果実によって甘みの基になる糖類の種類は違いますが、多くはショ糖、ブドウ糖、果糖などです。うーたんさんが考えられたようにこれらの糖類は葉の光合成でつくられたものが送られてきたものですので、収穫した後は糖類を増やすことができなくなります。トマトの赤い色素はリコペンというカロテノイドでこれも光合成でつくられた糖類からつくられます。ですから、収穫後は色素が作られないと考えても当たり前かもしれませんが実際はつくられているのです。この違いは、甘みを与える糖類の量と赤い色素をつくるために必要な糖類の量との差が大きいことによります。甘くならないけれども赤くなるのです。今、1個150グラム(中玉)の完熟トマトと半熟のトマトがあるとしてその糖分量と色素量それぞれの中間の値(品種によって大きく違うので中間の値をとりました)を比較してみますと次のようになります。これを基に大雑把な計算をしてみました。
完熟トマト 半熟トマト
重さ 150グラム 150グラム (熟す過程では重さは変わりません)
糖度 5 3 (中間の仮定値)
糖分 7.5グラム 4.5グラム (糖度1はショ糖1%に相当します)
リコペン 7.5ミリグラム 3ミリグラム
半熟のトマトで収穫すると、甘みが増すためには3グラムの糖分が必要で、この分は葉から送られなければ間に合いませんが茎葉から切り離されているので供給できません(だから甘さは増しません)。しかし、完熟と同じ赤さになるためには4.5ミリグラムのリコペンができれば十分です。4.5ミリグラムのリコペンをつくるためには、エネルギー分を含めてもおよそ36ミリグラムのブドウ糖をつかいます。ブドウ糖からリコペンをつくる酵素類はすべて果実の中にありますから、すでに送られた糖分から36ミリグラム程度を使っても甘みを減らすことなく必要なリコペンをつくることができるのです。
なかなか鋭いご質問ですね。同じ果実でおきることなのに不思議ですね。
果実の甘みのもとは糖類です。果実によって甘みの基になる糖類の種類は違いますが、多くはショ糖、ブドウ糖、果糖などです。うーたんさんが考えられたようにこれらの糖類は葉の光合成でつくられたものが送られてきたものですので、収穫した後は糖類を増やすことができなくなります。トマトの赤い色素はリコペンというカロテノイドでこれも光合成でつくられた糖類からつくられます。ですから、収穫後は色素が作られないと考えても当たり前かもしれませんが実際はつくられているのです。この違いは、甘みを与える糖類の量と赤い色素をつくるために必要な糖類の量との差が大きいことによります。甘くならないけれども赤くなるのです。今、1個150グラム(中玉)の完熟トマトと半熟のトマトがあるとしてその糖分量と色素量それぞれの中間の値(品種によって大きく違うので中間の値をとりました)を比較してみますと次のようになります。これを基に大雑把な計算をしてみました。
完熟トマト 半熟トマト
重さ 150グラム 150グラム (熟す過程では重さは変わりません)
糖度 5 3 (中間の仮定値)
糖分 7.5グラム 4.5グラム (糖度1はショ糖1%に相当します)
リコペン 7.5ミリグラム 3ミリグラム
半熟のトマトで収穫すると、甘みが増すためには3グラムの糖分が必要で、この分は葉から送られなければ間に合いませんが茎葉から切り離されているので供給できません(だから甘さは増しません)。しかし、完熟と同じ赤さになるためには4.5ミリグラムのリコペンができれば十分です。4.5ミリグラムのリコペンをつくるためには、エネルギー分を含めてもおよそ36ミリグラムのブドウ糖をつかいます。ブドウ糖からリコペンをつくる酵素類はすべて果実の中にありますから、すでに送られた糖分から36ミリグラム程度を使っても甘みを減らすことなく必要なリコペンをつくることができるのです。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2011-08-10
今関 英雅
回答日:2011-08-10