質問者:
中学生
優
登録番号2495
登録日:2011-08-07
雑草はほとんどの種類が品種改良されたものがあるということを聞きました。しかし、インターネットで調べてみると全然載ってなかったので教えてください。雑草の品種改良
そこら辺の雑草から品種改良された植物の種類を品種改良される前の雑草とされた後の雑草の種類を教えてください。
私が知っている例はカタバミとオキザリスです。
優君
優君は沢山質問がありますね。疑問を持つことはとてもいいことです。今度の質問も「雑草」に関係した内容ですが、これで4度目の質問ですね。雑草に特に関心があるのでしょうか。
ところで、「雑草はほとんどの種類が品種改良されたものがあるということを聞きました。」ということですが、誰がそんなことをおっしゃったのでしょうか。また、何かに書いてあったのでしょうか。ちょっと、意味が分かりかねます。「雑草」とは何かということをもう一度理解するために、先の回答(2411,2412、2423)を読み直して下さい。品種改良とは生物(動物も植物も)を人間にとって都合の良いように、いろいろな方法で手を加えて改変(改良)することです。だから、品種改良された植物は、農作物にしろ、園芸植物にしろ人が使う目的で育てるものですから、雑草であることは考えられません。ただ、園芸植物で、栽培されていたものが逃げ出して至る所に生えるようになると、場所によっては雑草扱いとなることもあるでしょう。ムラサキカタバミという可れんな花を咲かせるカタバミは江戸時代の終わりに観賞用として日本へ入ってきたものですが、いまは雑草扱いですね。ただしムラサキカタバミは、改良品種ではなく、南アメリカ原産の植物です。同じように、はじめは観賞用に入って来た植物でも、いまは雑草の仲間になっている植物は沢山あります。ですから、「そこらへんの雑草で品種改良された雑草」というのはありません。
優君の「知っている例はカタバミとオキザリスです」ということの意味が分かりません。
オキザリスはカタバミの分類上の属と科の名前(学名)です。カタバミと名のつく植物は沢山ありますが、何れもカタバミ科カタバミ属です。たとえば、カタバミの学名はオキザリス・コンミキュラタ(種の名前)、ムラサキカタバミはオキザリス・コリンボーサ、アカカタバミ(葉が赤い)はオキザリス・ルブリフォリアといいます。
【回答追加】
優君
この質問についてもう一度その意味を考えてみました。質問は『現在栽培されているほとんどの植物は、もとをたどれば野草が改良されたものである。また、対応出来る原種と栽培種の例を教えて欲しい』ということでしょうか。それならば、その通りです。農作物も、園芸植物も、樹木も一部をのぞいて、より美味しいもの、よりきれいなもの、より大きい(あるいは小さい)もの、より香りのよいもの、早く育つもの、寒さ(又は暑さ)に耐えるもの、乾燥に耐えるもの、などなど、もとは野草であったものをそれぞれの目的にあったように改良されてきています。旧いものは何千年も前にさかのぼるものもあります。
では、そこら辺の雑草でそういうのがあるかということです。残念ながらその辺の道ばたにあるようないわゆる雑草が、何か栽培種に改良された例はしりません。しかし、いくつかの例を挙げておきましょう。
キク:原種が何であるか分かっていません。シマノカンギクであるとか、ノジギクであるとか意見が分かれています。また、ウラゲノギク、チョウセンノギク、オオシマノギク、リュウノギクなどの雑種だという人もいます。多分ノギクの仲間からつくられたのでしょう。
ダイコン:ハマダイコンが原種だといわれています。
キキョウ:八重咲きや黄花のキキョウがありますが、江戸時代から野生のキキョウが改良されてきました.
フキ:1000年も前から食料にされちますが、愛知ワセ(早生)という一番良く出回っている品種は1mにも高くなるアキタブキが原種です。
シソ:エゴマの1変種だといわれています。オオバ、アカジソなどがあります。
セリ:370年前から品種改良されてきたそうです。
オキザリス:タキイ種苗からこの名前で売り出されているものは、南アフリカ他原産のオキザリス・コモサというカタバミの一種をもとに、タキイが品種改良したものです。
正式名は:オキザリス・コモサ cv (品種) スプリング・チャームといいます。
古くから栽培されている植物の原種が何であるかは、「遺伝子解析」をすれば分かるでしょう。そういう研究をされている方はおられますが、日本でそこら辺に見られる雑草と栽培種との遺伝子解析をされた例は今の所、私は知りません。
なお、栽培種と原種との関係は図書館へ行って、百科辞典などで調べて見て下さい。
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
優君は沢山質問がありますね。疑問を持つことはとてもいいことです。今度の質問も「雑草」に関係した内容ですが、これで4度目の質問ですね。雑草に特に関心があるのでしょうか。
ところで、「雑草はほとんどの種類が品種改良されたものがあるということを聞きました。」ということですが、誰がそんなことをおっしゃったのでしょうか。また、何かに書いてあったのでしょうか。ちょっと、意味が分かりかねます。「雑草」とは何かということをもう一度理解するために、先の回答(2411,2412、2423)を読み直して下さい。品種改良とは生物(動物も植物も)を人間にとって都合の良いように、いろいろな方法で手を加えて改変(改良)することです。だから、品種改良された植物は、農作物にしろ、園芸植物にしろ人が使う目的で育てるものですから、雑草であることは考えられません。ただ、園芸植物で、栽培されていたものが逃げ出して至る所に生えるようになると、場所によっては雑草扱いとなることもあるでしょう。ムラサキカタバミという可れんな花を咲かせるカタバミは江戸時代の終わりに観賞用として日本へ入ってきたものですが、いまは雑草扱いですね。ただしムラサキカタバミは、改良品種ではなく、南アメリカ原産の植物です。同じように、はじめは観賞用に入って来た植物でも、いまは雑草の仲間になっている植物は沢山あります。ですから、「そこらへんの雑草で品種改良された雑草」というのはありません。
優君の「知っている例はカタバミとオキザリスです」ということの意味が分かりません。
オキザリスはカタバミの分類上の属と科の名前(学名)です。カタバミと名のつく植物は沢山ありますが、何れもカタバミ科カタバミ属です。たとえば、カタバミの学名はオキザリス・コンミキュラタ(種の名前)、ムラサキカタバミはオキザリス・コリンボーサ、アカカタバミ(葉が赤い)はオキザリス・ルブリフォリアといいます。
【回答追加】
優君
この質問についてもう一度その意味を考えてみました。質問は『現在栽培されているほとんどの植物は、もとをたどれば野草が改良されたものである。また、対応出来る原種と栽培種の例を教えて欲しい』ということでしょうか。それならば、その通りです。農作物も、園芸植物も、樹木も一部をのぞいて、より美味しいもの、よりきれいなもの、より大きい(あるいは小さい)もの、より香りのよいもの、早く育つもの、寒さ(又は暑さ)に耐えるもの、乾燥に耐えるもの、などなど、もとは野草であったものをそれぞれの目的にあったように改良されてきています。旧いものは何千年も前にさかのぼるものもあります。
では、そこら辺の雑草でそういうのがあるかということです。残念ながらその辺の道ばたにあるようないわゆる雑草が、何か栽培種に改良された例はしりません。しかし、いくつかの例を挙げておきましょう。
キク:原種が何であるか分かっていません。シマノカンギクであるとか、ノジギクであるとか意見が分かれています。また、ウラゲノギク、チョウセンノギク、オオシマノギク、リュウノギクなどの雑種だという人もいます。多分ノギクの仲間からつくられたのでしょう。
ダイコン:ハマダイコンが原種だといわれています。
キキョウ:八重咲きや黄花のキキョウがありますが、江戸時代から野生のキキョウが改良されてきました.
フキ:1000年も前から食料にされちますが、愛知ワセ(早生)という一番良く出回っている品種は1mにも高くなるアキタブキが原種です。
シソ:エゴマの1変種だといわれています。オオバ、アカジソなどがあります。
セリ:370年前から品種改良されてきたそうです。
オキザリス:タキイ種苗からこの名前で売り出されているものは、南アフリカ他原産のオキザリス・コモサというカタバミの一種をもとに、タキイが品種改良したものです。
正式名は:オキザリス・コモサ cv (品種) スプリング・チャームといいます。
古くから栽培されている植物の原種が何であるかは、「遺伝子解析」をすれば分かるでしょう。そういう研究をされている方はおられますが、日本でそこら辺に見られる雑草と栽培種との遺伝子解析をされた例は今の所、私は知りません。
なお、栽培種と原種との関係は図書館へ行って、百科辞典などで調べて見て下さい。
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2011-09-05
勝見 允行
回答日:2011-09-05