一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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コーヒーとお茶の発芽と生長の関係

質問者:   中学生   わかティー
登録番号2509   登録日:2011-08-24
自由研究で5種類の液体をつかって、発芽し生長するか観察しました。
その結果、水は発芽し生長して、砂糖水は発芽は遅かったけど、遅い原因は分かりました。食塩水は全く発芽しないと分かりました。
しかし、コーヒーとお茶は発芽が遅いと分かったのですが、その原因が分かりません。なぜ、コーヒーとお茶は発芽するのが遅いんですか?
その原因を教えて下さい。
わかティー さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
この質問コーナーには種子発芽の条件に関するご質問がたくさんあります。食塩、砂糖、酢や果汁などを加えたら発芽がどうなるかといったものもありますのでご覧になってください。加える(加わる)物質の種類によって二つの効果を考える必要があります。1つは濃度です、2つ目は物質そのものの性質です。加える物質の濃度が薄ければ影響のないショ糖、食塩のような物質でも、濃度が高くなるにつれ発芽もその後の成長も悪くなり、さらに濃度が高くなれば発芽しなくなります。2つ目のグループの物質は微量でも発芽や成長を阻害するものです。コーヒーやお茶は単一物質ではありませんが、2つ目のグループに属すると考えてよいでしょう。コーヒー、お茶の中には、カテキン、クロロゲン酸、コーヒー酸のようなフェノール物質がたくさん含まれています。さらに、特有のアルカロイド(カフェインやテオブロミンなど)が含まれています。フェノール物質は、ごく微量であれば成長を促進するものもありますが、飲用のコーヒー、お茶に含まれる程度の濃度ではむしろ成長を抑制する働きがあります。ですから、水に比べれば、発芽や発がした後の成長が悪くなると考えられます。飲用に向かないほどの濃い濃度のコーヒー、お茶を使えば発芽もしなくなる可能性があります。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2011-09-01
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