一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ヒメシャラのメリット

質問者:   一般   iwasaki
登録番号2538   登録日:2011-10-26
はじめまして、先日出かけた山歩きで、ヒメシャラを沢山見かけました。
そこで、不思議に思った事があり、質問させていただきます。

過去の「登録番号-1854」の質問で、サルスベリやヒメシャラの木肌がつるつるしている構造はとてもよく理解しました。

しかし「二次篩部におけるコルク形成層の発達と周皮の形成が小さい」ことはデメリットのようにしか思えないのですが、実際あの形に進化したメリットはどこにあるのでしょうか?

何分素人で、的はずれな質問かもしれませんが、ご教授ください。
iwasaki様

ご来場歓迎致します。生物の形等が何故そうなっているのかということを実験で確かめる事は難しいので本当のことは分かりません。ただ、それが生育している環境等を考慮すると、そうなのかなという想像ができる事もあります。樹肌がつるつるの植物は他にリョウブ、アオハダ等が思い浮かびます。これらの植物が林の中で成長しているとき、当然他の植物や生物から負の影響を受けることがあります。いま、近くにつる性の植物があるとしましょう。彼らは他の植物の幹に巻き付いて成長して行きます。草本生のつる植物は沢山ありますが、冬に枯れる物が多いですね。他方木本生の蔓植物は一旦幹に巻き付くと年とともにどんどん大きく成長して行きます。ツルマサキやクマヤナギなど巻き付いた幹よりも太くなっているのを見た事がります。クズも成長が激しいですね。このようにつる植物に巻き付かれた樹は下手をすると枯死することもあります。こういう事を考えると、肌がつるつるの樹は蔓植物に巻き付かれ難いはずです。これはメリットといえるのではないでしょうか。今はそれしか思いつきません。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2011-10-31
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