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柿の渋抜きについて

質問者:   教員   キーロン
登録番号2545   登録日:2011-10-31
渋柿の渋を抜くとき、アルコールにつけたり、お湯につけたり、ドライアイスの入った袋に入れます。なぜこのようないろいろな方法で渋が抜けるのか理由、原理を教えてください。また渋柿を干して干し柿にしても甘くなります。これも同じ原理ですか。調べてもちょっと難しくきちんと理解できないのでお願いします。
キーロン様

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。柿の渋の原因はご存知だと思いますが、タンニンとよばれる一群の化合物の仲間が原因です。柿のタンニンは特にカキタンニンと呼ばれている物が主体です。タンニンは植物にはいろいろな所に含まれていて、いろいろな働きがあります。本質問コーナーでも関連する質問が沢山登録されていますので、「タンニン」で検索して読んで見てください。さて、柿の渋はタンニンですが、タンニンは水溶性だと渋みがありますが、これが例えば、何かとくっ付いたりすると不溶化されます。不溶性タンニンは渋みが無いのです。それは、可溶性でないと、舌の味覚に感じないからです。したがって、柿が渋いか渋くないかは、柿が可溶性タンニンを含んでいるかどうかで決まります。アルコールやドライアイスなどで渋柿を処理すると渋みがなくなるには、これらの処理でタンニンの不溶化が進むからです。ではそのメカニズムですが、一般に受け入れられていることは、可溶性タンニンはアセトアルデヒドと結合することによって不溶化されるということです。アルコール(エタノール)は酸化するとアセトアルデヒドになります。酒酔いの一つは血中にこのアルデヒドがたまる事だということは御存知だとおもいます。このように、アルコールはアルデヒドに変わりますので、それがタンンニンの不溶化をもたらします。また、ドライアイス(CO2) のもとでは酸素不足となり、酸素呼吸が抑えられますので、ブドウ糖から始まる呼吸の解糖系の産物であるピルビン酸が、正常な酸素呼吸で分解されなくて、ピルビン酸からアセトアルデヒドがつくられてしまいます。干し柿は皮をむくことによって、表面に皮膜が出来てしまい柿の果実は呼吸ができなくなります。その結果アセトアルデヒドがたまります。ということで、渋を抜く方法はいずれも、柿の果実に含まれる可溶性タンニンを、生成するアセトアルドと結合させて不溶化することにあります。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2011-12-26
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