一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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植物の貯蔵糖について

質問者:   会社員   石原伸治
登録番号0256   登録日:2005-05-24
はじめまして。ショ糖にガラクトースが1つついたらラフィノース、2つついたらスタキオースですが、3つや4つついたときの名前はありますか?

あとガラクトオリゴ糖は、乳糖に酵素を働かせて作るらしいですが,フルクトースを持つラフィノースなどの物質もガラクトオリゴ糖のなかに入るのですか?

御教授お願いいたします。
石原 伸治様

みんなの広場質問コーナーへの質問にお答えします。

ショ糖のグルコース残基にα-ガラクトース残基が1,6結合で1個以上結合したオリゴ糖をラフィノース族オリゴ糖といいます。
ガラクトース残基が7個が結合した九糖まで知られています。
Glc-Fru   ショ糖
Gal-Glc-Fru ラフィノース
Gal-Gal-Glc-Fru スタキオース
Gal-Gal-Gal-Glc-Fru ベルバスコース(verbascose)
Gal-Gal-Gal-Gal-Glc-Fru アジュゴース(ajugose)
Galが5,6,7個結合したものには名称がつけられておりません。


特定保健用食品の一つとして各種オリゴ糖があります。
これらは、デンプン、ショ糖、乳糖等に各種酵素を作用させて作り出されます。そのなかに、「ガラクトオリゴ糖」がありますが、これは乳糖のガラクトース残基にガラクトースがβ-1,4またはβ-1,6グリコシド結合で1〜数個つながったものです。

上述ラフィノース族オリゴ糖は大豆などに含まれており、特定保健用食品のオリゴ糖では、「大豆オリゴ糖」として知られております。

一般に、オリゴ糖を構成する単糖により慣用名としてグルコースからなるオリゴ糖であれば 「グルコオリゴ糖」ガラクトースからなるオリゴ糖であれば 「ガラクトオリゴ糖」キシロースからなるオリゴ糖であれば 「キシロオリゴ糖」と呼んでいます。
現在、特定保健用オリゴ糖に付いている名称のなかで、これにそって命名されているものに「キシロオリゴ糖」があります。

従って、「ラフィノース族オリゴ糖」を特定保健用食品「ガラクトオリゴ糖」と同じ仲間にしない方がよいのではないでしょうか。


 加藤 陽治(弘前大学教育学部食物学研究室)
JSPPサイエンスアドバイザー
 勝見 允行
回答日:2009-07-03