一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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桜の花の2つの色

質問者:   一般   大吉
登録番号2642   登録日:2012-05-06
今春3人で花見に出かけた公園で、桜の花には中央部が紅色のものと白色のものの2種類が混在していることに皆で気付きました。後日、街路の桜でも同じ現象が観察されたので、写真に撮って拡大してみたところ、花弁の付け根とおしべの茎に紅色が強いものと同じ所がほとんど白いままのものに区別されました。品種は最もポピュラーなソメイヨシノだと思われますが、この色の違いの遺伝とか他の理由について分っていることがあれば教えて下さい。
大吉 さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
ソメイヨシノの花の淡い赤色系の色素はアントシアニンです。花のアントシアニンの量(着色度)は開花後少しずつ変化します。ソメイヨシノでは開花直後の花では、花弁基部は薄モモ色で、花糸(雄しべの柄)には色素が少なくほぼ白色ですが、散りはじめる直前までには色素量が増加して、花糸も真っ赤になります。ですから、気づかれた2つの花の色の違いは、花の齢の違いによるものです。花弁が散った後に残る花殻はみんな真っ赤ですね。
ちなみに、ソメイヨシノはすべて挿し木で繁殖させたクローンですので遺伝的背景はすべて同じです。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2012-05-08
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