一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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細胞分裂

質問者:   教員   ヘロ
登録番号2662   登録日:2012-06-10
 植物に限定されたことではないので、このコーナーに質問させていただいていいのか迷ったのですが、可能であれば、教えていただきたいと思います。
 細胞分裂の過程において、両極から伸びてきた紡錘糸が動原体に結合しますが、この時染色分体の動原体に同じ方から伸びてきた紡錘糸が両方に結合することなく、必ず両極からの紡錘糸が1本ずつ結合し、分かれるのはなぜでしょうか。
減数分裂の際の二価染色体の相同染色が分かれる時も同様に同じ方向から伸びてきた紡錘糸に結合してしまうことはありません。上記と同じ理由でしょうか。
ヘロ様

 みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。ヘロ様の疑問に思っておられることは動原体(セントロメア)付近の構造を説明すれば解けるのではないかと思います。赤道板に並んだ時点での姉妹染色体は、自由に動き回ることはは出来ず、姉妹が背中合わせになっており、背中は蛋白質 ( cohesion protein) でくっつけられています。背中合わせの姉妹染色体のそれぞれのお腹に当たる場所にあるのがキネトコア(これも動原体と呼ばれるのでややこしいですが、キネトコアは動原体の一部と思ってください)で両極から伸びて来た紡錘糸はここに付着します。付着した紡錘糸を動原体微小管(キネトコア微小管)と云います。紡錘糸を構成している微小管は曲がり難い性質を持っているので、片方の極から伸びて来た微小管が反対側のキネトコアに結合することはありません。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2012-06-25
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