一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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アントシアニン量による味の違い

質問者:   会社員   ちーこ
登録番号2663   登録日:2012-06-11
生育環境の変化で野菜が自分の体を守ろうとしてアントシアニンを出すと聞きました。

たとえば、アスパラガスの先端やキャベツの外側、玉ねぎの内部等が時々紫になっています。

紫ががっている方が糖分が少ない、とか、栄養価が高くなっている、など味や健康に関する変化はありますか?
ちーこ様

質問コーナーへようこそ。歓迎致します。アントシアニンに関する質問はこれまでに沢山寄せられ、それぞれについての回答は質問コーナーに掲載されています。「アントシアニン」という語句で検索してみて下さい。アントシアニンの化学的な事柄、植物における生理的役割などが分かります。ただ、アントシアニンの含量が野菜等の味にどう関係するかということは初めての質問のようですので、この点に限って説明致します。答は簡単です。アントシアニン(単一化合物ではない:質問コーナー参照)は無味、無臭ですが、果実や野菜では弱い渋みをもたらすといわれています。しかし、ワインや紫の茶葉、紫のトマトではそれぞれの本来の味には全く関係しないという報告があります。なお、アントシアニン、特にラズベリー等に高濃度に含まれるものは、健康に有益であると考えられて、癌、老化、神経疾患、炎症、糖尿病、細菌感染、繊維嚢胞症などへの効果が研究されています。タマネギやアスパラガスなどに若干紫がかった程度のアントシアニンは健康や味には全く関係ないと考えてよいでしょう。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2012-07-10
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