一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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植物が枯れると固くなる理由

質問者:   大学生   もたい
登録番号2664   登録日:2012-06-13
今日枯れた葉っぱが落ちている道を歩いていて、踏むとカサカサと音がしました。
なぜ植物(葉っぱ)は枯れると固くなるのですか?知りたいです。回答のほう、お願いします。
もたい さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
「葉が枯れると固くなる」理由は何か、を考えるとき葉は何からできているか、枯れた葉とはどんな状態か、を考えることが必要ですね。植物体をつくっているすべての細胞はセルロースとヘミセルロースからなる細胞壁で囲まれています。さらに導管、繊維細胞の細胞壁は厚く、リグニンが沈積してかなり頑丈な細胞壁になっています。元気な葉(緑色で光合成を活発におこなう)では、細胞内は水で充満され、細胞壁のセルロース、ヘミセルロースなどの炭水化物には水が附加して(水和して)しなやかな状態です。一方、枯れた葉では、細胞内にあったタンパク質、炭水化物、脂質、その他の成分が分解されて、他の元気な細胞(例えば茎、根や翌年の新芽など)へ運ばれてしまっていて、分解の困難な細胞壁成分だけが残り、水分は蒸発して乾燥状態にあります。セルロース、ヘミセルロースやリグニンのような高分子から水がなくなって乾燥すると固くなり外力が加わると折れやすくなります。生うどんはしなやかですが乾燥うどんは固く折れやすいのと同じことです。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2012-06-25
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