一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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農薬と肥料をすうしくみ

質問者:   小学生   ちいた
登録番号2693   登録日:2012-07-21
植物が水をすうしくみを自由研究にしています。
いつも教えていただきありがとうございます。
水をすうしくみはわかりました。今度は土から栄養分をすうしくみについて実験してみたいと思っています。
栄養分をすうとは、土の中にある栄養分が水に溶けて、それを吸っているということですか?
たまたま水に溶けた栄養分になりますが、好きな栄養分をすうことはできないのですか?
例えば、何種類かある成分のなかで、決まったものだけ吸い込むとかは、植物は出来ないのですか?吸い込んでいらない成分はどうなるのですか?動物ならフンになったりしますが、植物はフンはしませんよね?
光合成で作った栄養だけで生きているなら、必要な栄養だけ作っているのだと思いますが、土からすう栄養のことがわかりません。
よろしくお願いします。
ちいたさん

質問コーナーへようこそ。何度でもおいで下さい。歓迎します。今度は土の中の栄養についての実験をするのですね。植物の栄養の取り方は動物に比べるとずいぶん違っていますよね。そこで、まず植物にとって、栄養とはなにかということ、どのように栄養をとるのかということを説明しましょう。質問のなかで、「光合成で作った栄養だけで生きているなら、必要な栄養だけ作っているんだと思います」と書いてありますが、光合成で作られるのはデンプンです。デンプンは酸素と水素と炭素という3つの元素(未だ習っていないかな)だけからできています。酸素と水素は根から吸い上げた水(水は酸素と水素からできている)から供給され、炭素は空気中の二酸化炭素が使われます。光合成で出来たデンプンから今度は植物が生きて行くために必要な他のいろいろな物質が作られてます。そのとき、チッソ、イオウ、リンなどの元素が使われます。光合成に必要な葉緑素ができるにはマグネシウウムも必要です。また、細胞がさまざまな活動するためには、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、コバルト、鉄、などなどの元素が微量だけど必要です。これらの元素はミネラルとよばれていて、根から水に溶けた状態で植物に吸収されます。園芸屋さんなどで売っている肥料はこれらの元素をふくむものです。 

さて、植物は好きな栄養だけ、つまり身体に必要な栄養だけをえらんで吸収することはできるのでしょうか。大体そうです。でもそれがどのように調節されているのかは、まだ分からないことが多いようです。植物が根から吸い上げたこれらの元素は植物の身体の中のいおりおなところにに残ります。動物のようにフンはしませんが、樹木では葉が落ちることによってたまった余分の元素等は身体の外に捨てられるといってよいでしょう。植物を完全に焼くときれいな灰が残りますね。これは植物に含まれていたミネラルが酸化(難しいかもしれませんが、空気中の酸素と結合した形と考えて下さい)されて残ったものです。植物の栄養の取り方については、ちょっと難しいかもしれませんが、登録番号2699の質問に対す回答を見て下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2012-07-27
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