一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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カイワレ大根の実験について

質問者:   中学生   のりまき
登録番号2734   登録日:2012-08-20
カイワレ大根で、2つの実験をやりました。
1つ目は、スーパーで買ってきた市販のカイワレ大根に水道水、レモン水、砂糖水、塩水を与えてカイワレ大根に味がつくのかという実験です。
実験結果はどれも味がついたのですが、なぜカイワレ大根に味がついたのでしょうか?その仕組みを教えてください。
2つ目は、何も与えていないカイワレ大根(市販の)と比べて、水道水、レモン水、砂糖水、塩水を2日間与えたカイワレ大根で成長に差が出るのか、という実験をしました。
そのカイワレの中で1番長い部分を比べて計測するのですが、どうも全て最初のときより縮んでしまっている結果が出ました。これは有り得る事なのでしょうか。もしも有り得るならその理由も教えてください。(ちなみに朝と夕方の2回水やりをしました)
のりまき さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
実験の方法がよく分からないので的確なお答えにならないかもしれません。
市販のカイワレ大根にレモン水、砂糖水、塩水をあたえるとき濃度はどのくらいでしたか?また、どのよう与えましたか?市販のプラスチック容器に直接、これらの試験水を加えたえたのか、容器から抜き出して、別に用意した試験水に根を浸したのか、どちらでしょうか? そして、味を見たのはカイワレ大根全体なのか根だけなのか、また何日くらい経ってからなのか? 「実験結果はどれも味がついたのですが」ということは、レモン水では酸っぱく、砂糖水では甘く、塩水では塩辛くなったということですね? 味を見るとき、カイワレをよく洗ったのでしょうか、洗わなかったのでしょうか?
あたえた試験水の濃度や時間、味見の部分、方法が分からないので判断できませんが、食塩水をあたえたときに塩辛くなることはあり得ます。昔、ニコチアナ属(タバコの仲間)の耐塩性試験で、いろいろな濃度の食塩水で芽生えの生育試験をしたことがあります。ある特定の耐塩性の強い種では、生育が遅くなりましたが囓ってみたら塩辛くなっているものがありました。食塩を積極的に体内に取り込んで貯め込んだり、葉の表面から排出したりする植物はあります。カイワレ大根がそれに相当するかどうかは知りません。砂糖水やレモン水の場合、根が少しは甘み、酸味を感ずることがあるかもしれません。細胞壁の中に入った砂糖や酸のために根にわずかの味がつくかもしれないからです。濃度が高く、根の細胞が死んでいたら、死んだ細胞の中に砂糖や酸が十分染み込みますので味がつくことは考えられます。
2番目の質問も、方法がよく分からないのでお答えするのが難しいものです。植物の成長は「不可逆的な体積の増加」とされていますので、しおれたり、死んだりしたときには、植物体が乾燥して(部分的に)長さや太さが、小さくなることはあり得ますが、生きている植物の長さが短くなることはあり得ません。カイワレ大根の茎は細長く、曲がっているので、長さを測るときかなり注意深くしないと、まったく成長していないときなど短く測ってしまったのではないかと思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2012-08-24
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