一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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アサガオのつるの巻き方

質問者:   中学生   小雪☆
登録番号2740   登録日:2012-08-23
自由研究でアサガオの研究をしています。

以前読んだ、「アサガオのつるは右巻き左巻き」(七尾純・1999年)でアサガオの巻き方の定義について書いてあったのですが、本では

シュトラスブルガーという人が螺旋を上から見るということにした、
しかし、ほかの学問では螺旋は横から見ることになっている

と書いてありました。登録番号1377の回答を見るとアサガオの巻き方は右巻きとなっていて、シュトラスブルガーの考えとは反対になっています。

それは、私が読んだ本が1999年出版と古いのでそれからまた定義が変わったのでしょうか。もし、変わったのであれば、いつごろそれが変わったのでしょうか。

私の勘違いかもしれませんが、お教えしていただければ嬉しいです。
小雪☆さま

みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。登録番号1377を担当した柴岡です。シュトラスブルガーは1844年に生まれ、1912年に亡くなられていますので、つるの巻き方についてのシュトラスブルガーの考えは100年前のものです。この考えは日本でも長い間通用しており、私も子供の頃は、アサガオは左巻きと思っていました。植物図鑑でおなじみの牧野富太郎先生もこの考え方で、右巻きか、左巻きかの簡単な見分け方として、「支柱を右手で握った時、親指の方向につるが伸びていれば右巻き。左手で握った時、親指の方向につるが伸びていれば左巻き」と書かれておられ、私も長い間、この見分け方で右巻き、左巻きを判定していました。ところが、40年ほど前、コムギの祖先についての研究で有名な木原 均先生を中心に、植物のつるの巻き方もネジの巻き方と同じにしたほうが良いという意見が出され、もっともだと云うことで、この考え方は私達の間で急速に浸透し、現在ではアサガオは右巻きと云うことになっています。右巻きか左巻きかは、「これでナットク!植物の謎」に書かれているように、つるに沿って進んだとき右回り(時計回り)に前進する巻き方を右巻き、その反対を左巻きとしています。余談ですが、テレビの「ダーウィンが来た!」や、進化論の著書「種の起源」でおなじみのダーウィンは、つるの研究もやっており(渡辺 仁訳・よじのぼり植物・森北出版)、左巻きを「太陽の動きに従う巻き方」、右巻きを「太陽の動きに逆らう巻き方」と呼んでいます。とても分かりやすい表現だと思っていましたが、南半球でもアサガオは右巻きなので、南半球では駄目ですね。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2012-08-29
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