一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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植物は、酢を混ぜた水で育てた時酢を吸うのか

質問者:   高校生   さくら
登録番号2752   登録日:2012-09-09
学校の課題で、酢を混ぜた水と普通の水とで植物を育て、成長を比べる実験をしたのですが、酢を混ぜた方は水があまり減らず、黄色がかってきます。
対して水の方はどんどん減っていきます。

これは、酢を吸っていないのでしょうか?
また、これで実験になるのでしょうか?

回答お願い致します。
さくら さん

このコーナーに質問をお寄せ下さりありがとうございます。

どんな植物を材料にしてどのように実験しておられるのかが質問文からは不明ですが、水耕栽培で培養液の液量の変化を見ておられるのだと想像します。培養液の液量の減少は、主に、蒸散に伴う水の吸収によるものと思われますので、培地に酢を入れたことの根による水吸収への影響が問題になるかと思います。液量の変化は酢吸収の目安にはならないでしょう。
一般的に言って、培養液に酢をいれると、酢酸イオンが存在することになり、同時にpHが変化しますね。あなたの実験の目的が“植物が酢酸イオンを吸収するのかどうか”にあるとすれば、酢を入れることによって生ずる培養液のpH変化の影響が無視できるような実験系をつくる必要があります。pHの影響が知りたいのであれば、別のやり方になります。また、実際に酢が吸収されているかどうかを知るには、植物の生長が増加したかどうかだけでは不十分で、放射性同位元素などを用いる確認の実験が必要になると思います。培養液が“時間とともに”黄色がかって来るとすれば、植物から何かが抽出されて来ているように思えるのですが、どの程度の濃さの酢を使われたのでしょうか。pHによる二次的な影響などが心配になります。

以上、ご参考までに。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2012-09-12
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