一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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フィトクロムの吸収スペクトルの調べ方

質問者:   教員   はっぱ
登録番号2753   登録日:2012-09-11
いつも楽しく拝見しております。

フィトクロムにはPfr(遠赤色光吸収型)とPr(赤色光吸収型)があって、光可逆性を持ち、それぞれの吸収スペクトルが本にも載っています。
例えば赤い光を当てて、フィトクロムをPfr型にしておいてそれを分光光度計で吸光度を測ったとすると、赤の波長域の吸光度を測る際に分光光度計の光によってPr型に変化してしまわないのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
はっぱ 様

質問をお寄せ下さりありがとうございます。
心配されるのは当然だと思います。原理的には、そのようなことが起きないようにするためには、測定光の強度を低くした分光光度計を使うと良いでしょう(このことは分光光度計の感度や測定時間に関係することですが)。実際には、分光光度計の測定光の強度は相当に低いものになっております。

最初にPfrとPrのスペクトル(差)を測定したバトラー(Butler)さん達の論文を見ると、75ワットのプロジェクターランプからの光に適当なフィルターをかませ、600-700nmの光を“red”、700nm以上の波長の光を“far-red”としたようです。
フィトクロムの光変換に必要な光の強度と、分光測定に使われる光の強度の比較と言う視点で考えてみて下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2012-09-24
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