一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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"イシミカワ(タデ科)"の葉は何故、直線で構成された、鋭利な二等辺三角形をしているのでしようか?

質問者:   一般   Titanium
登録番号2757   登録日:2012-09-17
一般論として、「自然界に直線は存在し無い」、「直線で構成された形態を持つ生物は存在し無い」と言われていますが、
タデ科の"イシミカワの葉"は、ほぼ直線に近い辺で構成された鋭利な二等辺三角形をしています。(下記は、当方採集のイシミカワの葉の画像アドレス[Yahoo Box]、参照下さい。)

http://box.c.yimg.jp/res/box-s-mmpsmlpig2e3l6expu5q5cwly4-1001?uid=fcc11fe6-c5a5-4a76-8dc4-3581c990106e&etag=def7d08d1347872331208932

ヒコウキソウ(マメ科)の葉の形状も鈍角二等辺三角形に近似しておりますが、イシミカワの葉の方がより直線構成に近く、この様な形状の葉はそう多く無いと思われます。

そこで質問ですが、
※「イシミカワの葉の若干特異な、三角形に近似し形状には、どの様な利得があるのでしょうか?」

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追補: 厳密に言えば、イシミカワの葉は、完全な直線構成では無く、直線に限り無く近似した、伸び切った等角螺旋で構成されている旨は理解しております。

(イシミカワは普通種との事ですが、その鋭い棘が嫌悪され、即時伐採の対象となっているらしく、現在では「どこにでも見られる」ものでは無いようです。採集には可也、手間取りました。)
Titanium様

ご質問承りました。「自然界に直線は存在しない」というのはどのような根拠で言われているのでしょうか。植物の茎は直線状のものが多いように思います。松の葉もかなり直線です。コケの原糸体やカビの菌糸も条件によっては、かなりまっすぐ伸ばすことができます。また、蔓ものばせば直線になるかなと思います。

イシミカワの葉の形ですが、どのような適応的な意義があるかの研究例は無いようです。ただ、葉の形はかなり多様ですが、個々の形態すべてが適応的ではないのではないかと思います。発生学的にそのような形にならざるをえない場合もあります。このような場合を発生制約と呼びます。
JSPP広報委員長
長谷部 光泰
回答日:2012-09-24