一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

チェックリストに保存

再度質問します(シロツメクサの気孔)

質問者:   教員   ひでたか
登録番号2762   登録日:2012-09-25
以前、
> [タイトル]
> クローバーの気孔
> [質問内容]
> 同僚に「クローバの気孔は表にもあると言うけど、何で?」と言われて、気になって質問します。進化の過程ですかね?授業で使うことはありませんが、同僚に聞いても正確な解答を得られなかったので、よろしくお願いいたします。


と質問しましたが、次のような返事が来ました。

ご質問ありがとうございます。質問コーナーで検索していただけると(たとえば「気孔」で)気孔についてのこれまでの質疑を見ることができます。これらをご検討のうえ、まだ問題がありましたら改めてご質問いただけますでしょうか。よろしくお願いします。

日本植物生理学会広報委員長
長谷部光泰

On 2012/09/17, at 15:22, jspp@nacos.com wrote:

そこで、検索をしていろ閲覧してみましたが、解決しませんでいた。
再度、シロツメクサの気孔が表にある理由を教えてください。
お忙しいところ大変申し訳ありません。
ひでたか様

みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。私も長谷部先生と同じ意見です。みんなのひろばの気孔に関するQ & A全部をご覧になれば、答えが引き出せる筈です。それでも、解決しなかったと云うことでしたが、それは、Q & Aの数の多さにビビッたひでたかさんが、全部調べるのを諦めた結果に違いないと思っています。と云うことで、私の答えも「長谷部先生と同じです」でも良いのですが、折角、重ねてのご質問なので、全部は読まなくても、これだけは読んで下さいと云う回答にしようと思います。その前に、ちょとコメントいたします。ご質問はクローバーについてでしたが、クローバーと同じマメ科に属するエンドウ、ダイズ、ソラマメなどでは葉の裏側、表側ほぼ同数の気孔を持っています。あの大きなヒマワリの葉でも、気孔は裏表同数ですし、オオムギ、コムギ、イネも同数です。スイレンでは裏に無く表だけです。気孔は裏にしかないと思われているようですが、草本では裏表両方にあるのが多いのです。まず登録番号2337 を見て下さい。そこに「本当はいつも気孔を開いていて二酸化炭素を取り込みたいのですが、気孔が開くと水が蒸発します。・・・水が足りないと仕方なく閉じるのです。」とあります。これと同じで、二酸化炭素を取り込むためだけなら、気孔は裏にも表にもあったほうが良いのです。シロツメクサの葉の表側に気孔のある理由は簡単です。より多くの二酸化炭素を取り込むためです。ですから、ツバキ、アオキ、リンゴ、モモなどの樹木では、葉の表側に気孔がありませんが、このほうが不思議だと思います。多分、両面にあると蒸発のため水が足りなくなるからだと思いますが、それでは、どうして裏側だけにあるのかと云う疑問が湧いてきます。それについては、登録番号0643 に回答がありますので、読んで下さい。登録番号2283 も面白いと思います。登録番号2337、登録番号0634,登録番号2283の3つなら読んで貰えるのではないかと思っています。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2012-10-05