質問者:
高校生
れの
登録番号2766
登録日:2012-10-07
高校の生物のレポートで困ってます(^_^;)カサノリの実験
カサノリのab2種類の仮根を繋ぎ合わせるとどうなりますか?
説明が難しくてうまく出来ないのですが・・・
aの仮根bの仮根それぞれにカサノリができるのですか??(1つの仮根から
2本のカサノリができる?)
それとも中間のカサノリが1本できるのですか?
わかりにくいとは思いますが、宜しくお願いします(;;)
れの さん:
みんなの広場質問コーナーのご利用ありがとうございます。
ご質問は、かつてカサノリ研究をされた石川依久子先生に伺いました。先生から次のようなお返事をいただきました。
[石川先生のお返事]
「カサノリは50年、愛着を持って傍らにありますが、カサノリの接ぎ木実験をしたのは30年以上前のことで、的確なお返事ができません。その時、行った実験は、1940年ごろヘマリングさんが行った接ぎ木実験がやたらに日本の教科書等に使われていたので、生物教育の観点から日本での記載が正しいのかどうか、確かめようとしたものです。日本の2種のカサノリ、沖縄のAcetabularia ryukyuensis(カサノリ)とAcetabularia caliculus(ホソエガサ)を接ぎ木して傘の形を比較したものです。その結果、全くの間違いではないという結果を得ましたので、それきりになっています。(記載論文は今手元にないので必要でしたら後ほど別刷りをお送りします)
多分その時、2種の仮根の接ぎ木もやったと思いますが忘れました。ヘマリングさんの原著も探せばあるかもしれません。
前置きが長くなりましたが、次のような絵が手元にあります。
仮根と仮根がつなぎあわされています。どなたの絵だったかはっきり覚えていませんが、mとcの接ぎ木というのですから原著から取っておられるのかと思います。その結果中間の傘ができたとなっていますが、本当に正しいかどうか解りません。
私の現在の感触では、二本の茎が伸びるのではないかと思います。仮根だけだと原形質流動がないので、たとえ細胞壁がつながっても細胞質は混ざらないのではと思います。
もっとも仮根部が少し成長したものであれば一本の茎になるでしょう。
私は現在ホソエガサのseedlng をたくさん持っていますので、2種の接ぎ木はできないけれど、仮根と仮根をつなぎ合わせるとどうなるか位の実験ならできます。
私もちょっと試してみますが、質問された学生さんがいじってみたいというならさしあげることはできます。いずれにしても教科書に頼ったレポートは望ましくありません。」
教科書に載っているカサノリの実験が何を意味しているかを理解して、のりさんはどんな結果になると推定できますか。このコーナーの登録番号2424をお読みください。仮根には何があり、柄にはどこに何があるか。それらはどんな働きをしているか、は接ぎ木の実験で明らかにされているので、その理解を応用したら仮根どうしを接ぎ木したらどんな結果が予想されるかわかるはずです。本当はこの推定をレポートに書けばよいのです。接ぎ木がうまくいかないこともあるでしょう。その時はどんな結果が予想されるか、接ぎ木がうまくいったときはどうか、といったように考えたらどうでしょうか。
私たちも、実験次第では2通りの結果を予想せざるを得ません。
石川先生は、のりさんが希望されれば材料の提供もしてくださると言われています。実験するおつもりがあればお知らせください。
石川 依久子(元東京学芸大学教授)
みんなの広場質問コーナーのご利用ありがとうございます。
ご質問は、かつてカサノリ研究をされた石川依久子先生に伺いました。先生から次のようなお返事をいただきました。
[石川先生のお返事]
「カサノリは50年、愛着を持って傍らにありますが、カサノリの接ぎ木実験をしたのは30年以上前のことで、的確なお返事ができません。その時、行った実験は、1940年ごろヘマリングさんが行った接ぎ木実験がやたらに日本の教科書等に使われていたので、生物教育の観点から日本での記載が正しいのかどうか、確かめようとしたものです。日本の2種のカサノリ、沖縄のAcetabularia ryukyuensis(カサノリ)とAcetabularia caliculus(ホソエガサ)を接ぎ木して傘の形を比較したものです。その結果、全くの間違いではないという結果を得ましたので、それきりになっています。(記載論文は今手元にないので必要でしたら後ほど別刷りをお送りします)
多分その時、2種の仮根の接ぎ木もやったと思いますが忘れました。ヘマリングさんの原著も探せばあるかもしれません。
前置きが長くなりましたが、次のような絵が手元にあります。
仮根と仮根がつなぎあわされています。どなたの絵だったかはっきり覚えていませんが、mとcの接ぎ木というのですから原著から取っておられるのかと思います。その結果中間の傘ができたとなっていますが、本当に正しいかどうか解りません。
私の現在の感触では、二本の茎が伸びるのではないかと思います。仮根だけだと原形質流動がないので、たとえ細胞壁がつながっても細胞質は混ざらないのではと思います。
もっとも仮根部が少し成長したものであれば一本の茎になるでしょう。
私は現在ホソエガサのseedlng をたくさん持っていますので、2種の接ぎ木はできないけれど、仮根と仮根をつなぎ合わせるとどうなるか位の実験ならできます。
私もちょっと試してみますが、質問された学生さんがいじってみたいというならさしあげることはできます。いずれにしても教科書に頼ったレポートは望ましくありません。」
教科書に載っているカサノリの実験が何を意味しているかを理解して、のりさんはどんな結果になると推定できますか。このコーナーの登録番号2424をお読みください。仮根には何があり、柄にはどこに何があるか。それらはどんな働きをしているか、は接ぎ木の実験で明らかにされているので、その理解を応用したら仮根どうしを接ぎ木したらどんな結果が予想されるかわかるはずです。本当はこの推定をレポートに書けばよいのです。接ぎ木がうまくいかないこともあるでしょう。その時はどんな結果が予想されるか、接ぎ木がうまくいったときはどうか、といったように考えたらどうでしょうか。
私たちも、実験次第では2通りの結果を予想せざるを得ません。
石川先生は、のりさんが希望されれば材料の提供もしてくださると言われています。実験するおつもりがあればお知らせください。
石川 依久子(元東京学芸大学教授)
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2012-10-12
今関 英雅
回答日:2012-10-12