質問者:
一般
地下水100
登録番号2822
登録日:2013-02-14
私は森林インストラクターの初心者です。グループを作って植物について勉強中です。現在のテーマは「ヒマラヤシーダ―」です。球果の実物は、四ツ谷駅すぐそばで間近に観察しています。図書館で資料をいろいろ見ました。球果の成熟期間については、上原啓二先生の「樹木ガイド・ブック」をはじめ、国内発行の書物では「翌年秋」との記述が多いようです。「世界の植物百科」(F.A.ノバク。日本語版印東弘玄。岩崎書店)では「花後2〜3年で成熟」とあり、さらに、新宿御苑発行の「新宿御苑の最近自然情報 2011.9.4」では、「2年かけて褐色に熟し、その一部が落ちてきます」、とあります。外来種であり、気候等により成熟期間が変化するのかとも思いますが、実際はどのように理解すればよいのでしょうか。
みんなのひろば
ヒマラヤシーダ―の球果の成熟期間は何年?
地下水100様
ご質問承りました。ヒマラヤシーダーはヒマラヤ周辺の約1300 mから約3300 mの範囲に分布しています。P. MaheshwariとC. Biswasによる「Cedrus」(Council of Scientific and Industrial Research, New Delhi発行)によると、現地では、6月に雌性胞子嚢穂、8月に雌性胞子嚢穂が形成され始め、9月に成熟した雄性胞子嚢穂から出た花粉が成熟した雌性胞子嚢穂の胚珠先端に受粉するそうです。そして、花粉はそのまま休眠し、翌年の5月第一週に発芽し、第二週に受精がおこるそうです。その後、受精卵は分裂し胚形成を行い、その年の12月から翌年の1月頃に成熟し種子として散布されます。日本では10月から12月初旬ころに雄性胞子嚢穂から花粉が出るので、現地よりも少し遅く10月から12月頃に受粉が起こるのではないかと考えられます。国内における受精の時期を調べた研究は見つかりませんでしたが、たぶん自生地と同じ5月ころではないかと推定されます。四ッ谷駅前の木、ぜひ調べてみてください。
ご質問承りました。ヒマラヤシーダーはヒマラヤ周辺の約1300 mから約3300 mの範囲に分布しています。P. MaheshwariとC. Biswasによる「Cedrus」(Council of Scientific and Industrial Research, New Delhi発行)によると、現地では、6月に雌性胞子嚢穂、8月に雌性胞子嚢穂が形成され始め、9月に成熟した雄性胞子嚢穂から出た花粉が成熟した雌性胞子嚢穂の胚珠先端に受粉するそうです。そして、花粉はそのまま休眠し、翌年の5月第一週に発芽し、第二週に受精がおこるそうです。その後、受精卵は分裂し胚形成を行い、その年の12月から翌年の1月頃に成熟し種子として散布されます。日本では10月から12月初旬ころに雄性胞子嚢穂から花粉が出るので、現地よりも少し遅く10月から12月頃に受粉が起こるのではないかと考えられます。国内における受精の時期を調べた研究は見つかりませんでしたが、たぶん自生地と同じ5月ころではないかと推定されます。四ッ谷駅前の木、ぜひ調べてみてください。
JSPP広報委員長
長谷部 光泰
回答日:2013-02-27
長谷部 光泰
回答日:2013-02-27