一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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チューリップの葉の光合成を確認する方法

質問者:   会社員   つよし
登録番号2854   登録日:2013-05-01
チューリップのつぼみは緑色です。色の付き始めたつぼみを顕微鏡で観察すると葉緑素が見えました。ということは光合成をしているのではないかと考え、ヨウ素でんぷん反応にて調べることにしました。「つぼみ」のほかに「葉」も調べてみることにしました。まず、お湯で煮て、湯煎したアルコールにつけて脱色し、水洗いをしたのち、うがい薬をかけましたが、「葉」でも反応は見えません。手順が間違っているのかと思い、他の植物で試したところ青紫に変化しました。お聞きしたいのは、チューリップの葉の光合成(「つぼみ」も光合成しているのならそれも含めて)を、ヨウ素でんぷん反応で確認することは難しいのでしょうか。
つよし 様

ご質問をありがとうございます。
ヨウ素でんぷん反応の実験の手順は正しく、何よりも他の材料でうまく行っているとのことですので、手法に問題はないものと思われます。そうすると、(1)この実験材料にはデンプンが高濃度で含まれていない、(2)ヨウ素でんぷん反応を妨害する物質が含まれている、(3)デンプンの構造がヨウ素と反応しにくい形になっていることなどの原因が考えられますが、先ずは(1)の可能性が高いと思います。顕微鏡下でのヨウ素でんぷん反応の観察を試みられては如何でしょうか。
チューリップの特徴は球根にデンプンを蓄積することですので、植物体の生育段階や昼夜の条件などの環境要因についても配慮してみて下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2013-05-02
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