一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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朝顔の花の色

質問者:   小学生   たかゆき
登録番号2907   登録日:2013-07-24
小学1年生の母です。
学校で育てた朝顔を持って帰って、子供と観察しています。

ずっと薄いピンク色だったのですが、濃いピンクの花も咲きました。3つ咲いたうちの一つが濃いピンクでした。
土や水やり方法などは、ずっと同じでした。
なぜ、二色咲いたのか、子供に説明出来なくて困っています。

マンションのベランダに置いてあるので、ほとんど雨に当たる事は無いのですが、昨日大雨で雨に当たった事は関係あるのでしょうか?

あと、他の方が書かれていますが、朝と夕方では花の色が変わる事が多いみたいですが、息子の朝顔はしぼむまでずっと同じ薄いピンクのままです。
どうしてなのでしょうか?

宜しくお願いします。
たかゆき様

質問ありがとう。すばらしい観察眼ですね。

世界的にも有名なアサガオ博士、岡崎は基礎生物学研究の星野敦先生がご回答くださりました。



登録番号2485の回答にもありますように、1つの鉢に複数のアサガオが植えられていることがあります。改めて根元を観察して頂けますでしょうか? もし地中から2本の茎が出てきていたら、2種類のアサガオが植えられていて、それぞれ濃いピンク、薄いピンクの種類である可能性が大です。もし1本のアサガオしか植えられていないのに2色の花が咲いたのであれば、水やりや大雨の影響ではなく、「遺伝子の働きが変わりやすい」というアサガオの性質によるものだと思います。この性質には、ほかの遺伝子の働きを変えてしまうトランスポゾンと呼ばれる特殊な遺伝子が係わっています。アサガオには色の濃淡を決める遺伝子があり、働くと色が濃くなり、働かないと色が薄くなる遺伝子もあります。濃淡を決める遺伝子の働きがトランスポゾンにより変えられることで、薄いピンクと濃いピンクの花が咲いたと考えられます。

「朝と夕方では花の色が変わる事が多いみたいですが」についですが、色の変化は青系の花で観察される「青や紫から赤」への変化です。もともと赤いピンクなどの赤系の花では、しぼむまで同じような色をしています。色が変化する仕組みは、登録番号0113に解説があります。解説されているようにアサガオの色は液胞のpHが上がると青くなり、下がると赤くなります。赤系の花はもともとpHが上がらない(下がっている)ので変化しないのです。

多少ともご参考になれば幸いです。

星野 敦(基礎生物学研究)
JSPP広報委員長
長谷部光泰
回答日:2013-08-04
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